新型コロナウイルスの代表的変異株であるデルタとオミクロンの遺伝子が合わさった、いわゆる「デルタクロン」変異株が確認された。
ロイター通信は12日、デルタとオミクロンの遺伝子が合わさった新たな新型コロナ変異株「デルタクロン」に感染した患者が、米国と欧州で10日までに少なくとも17人確認されたと伝えた。
IHU地中海感染研究所のフィリップ・コルソン首席研究員が率いる研究チームは8日、新型コロナのデルタ変異株の本体にオミクロン変異株のたんぱく質突起が結びついた、いわゆる「デルタクロン」新変異株に感染した患者をフランスで発見したと報告した。コルソン研究員は、この変異株に感染した事例がきわめて少なく、デルタクロンが感染力が高いのか、症状が重いのかを判断するには時期尚早と評価した。米国でも最近2件の感染事例が発見され、欧州でも1月以後12件の事例が発見されたとの報告があるとロイターは伝えた。
専門家たちは、新しい変異株が大きな問題を起こす可能性は低いとみている。少なくとも1月にはこの変異株が存在するという事実が確認されたが、感染事例がきわめて少なく、拡散力が低いとみられるためだ。研究者たちは、デルタクロン変異株のたんぱく質突起遺伝子がオミクロン由来なので、感染またはワクチン接種を通じてオミクロン変異株に対する抗体を保有する人々は、デルタクロンに対しても保護能力を持っているとみている。オミクロンのたんぱく質突起は、感染者に重い症状を起こさないので、デルタクロンも同様だと推定される。オミクロンのたんぱく質突起は、鼻や喉などの呼吸器官上部に容易に影響を及ぼすが、肺の奥深いところへはあまり浸透しない。