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中国、2030年までに核保有量4倍に増強…米国防総省が報告書で明らかに

登録:2021-11-05 05:31 修正:2021-11-05 08:27
中国軍の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風(DF)41」が2019年10月、中国共産党創立70周年記念軍事パレードで公開されている/AP・聯合ニュース資料写真

 中国が2030年までに核兵器保有量を4倍に増やし、1000発を超える可能性があると米国防総省が3日(現地時間)明らかにした。事実なら、これまでの予想を上回るペースの戦力増強だ。中国が台湾と軍事衝突した場合に米国の介入を抑止するための戦力の構築を目指しているものとみられる。

 米国防総省は議会に提出した報告書「中国に関する軍事と安保展開状況」で、「中国が2027年までに核弾頭700発を保有し、2023年までに少なくとも1000発を保有する可能性がある」と分析したと、AFPなど海外メディアが報じた。同報告書は、中国が「地上と海、空中で核弾頭運搬プラットフォームを拡大し、こうした核戦力の拡張を支援するのに必要な基盤施設を増やしている」と明らかにした。

 米国防総省は今回の報告書で、現在中国がどれほど多くの核兵器を保有しているかは明らかにしなかった。しかし昨年の報告書では「200発を少し上回る」と推定し、2030年までに2倍の400発に増えると予想した。最近、米国務省は昨年9月末基準で、米軍が保有する核弾頭が3750発だと公表した。中国の核戦力は米国に比べると依然としてはるかに及ばないが、その格差が当初の予想より早く縮まっている。

 同報告書はまた、中国が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射できる地下の格納庫数百個を含むミサイル基地を、少なくとも3カ所で建設し始めたと明らかにした。具体的な場所は示さなかったが、最近、民間専門家らは衛星写真を分析し、新疆や玉門、オルドスの3カ所でミサイル基地と疑われる建設作業が行われていると指摘した。米国科学者連盟(FAS)は特に、これらの場所でミサイル格納庫約300カ所が建設されていると推定されるとし、最近工事が速度を増しているという研究結果を発表した。

 同報告書は中国が核強国の米国とロシアのように陸海空で核攻撃ができる「初期段階の3大核戦力」をすでに備えている可能性もあると指摘した。中国が地上発射核ミサイルと艦艇・潜水艦発射核ミサイルを備えたのに続き、航空機から核兵器を発射できる弾道ミサイルも追加していると明らかにした。エバン・メデイロス元大統領補佐官(アジア担当)は、今回の報告書が「これまでよりはるかに挑戦的な形の新たな冷戦」を暗示するとし、「ジョー・バイデン大統領と習近平国家主席は、今年の年末に予定されたオンライン首脳会談で軍縮問題を議題にすべきだ」と述べた。

 今回の報告書が注目されるのは、最近、中国が極超音速(ハイパーソニック)ミサイルの発射実験を行うなど、戦力増強に本格的に乗り出していると疑われる状況と軌を一にするためだ。これに先立ち、中国の極超音速ミサイル発射と関連し、マーク・ミリー米軍統合参謀本部議長は「スプートニクの瞬間に非常に近いものがある」と述べ、1957年に旧ソ連が米国に先立ってスプートニク衛星を打ち上げたときに米国が受けた衝撃に例えた。

 同報告書は「中国軍の進化する能力と概念は『強力な敵』と戦い勝つ能力を強化するものだ。ここで 『強力な敵』とは遠回しに米国を指す表現だ」とし、中国が米国を狙った軍事的対応に本格的に乗り出す状況に警戒を示した。ミドルボロウ国際問題研究所のジェフリー・ルイス氏は「中国が核弾頭1000発を保有するという見通しをそのまま受け入れることには慎重である必要があるが、中国がもう米国の軍事的優位を受け入れないという意志を示しているのは明らかだ」と述べた。

 中国の軍事力増強は、特に台湾との戦争などを想定して米国の軍事的介入を抑止するための動きとみられている。ジョージタウン大学の中国核兵器専門家、ケイトリン・タルマージ準教授は「中国の核戦力強化が米国の核使用を抑止することで、台湾をめぐる対立状況と関連して意味を持つ」と述べた。米海軍戦争大学のアンドリュー・エリクソン教授は「中国は台湾に関する可能なかぎり多様な軍事的シナリオに必要な軍事力を保有することで、台湾防御のための米国の介入を防止することを目指している」と述べた。

 こうした動きは、中国がこれまでの「最小抑止戦略」から遠ざかっているのではないかという疑念を抱かせると、フィナンシャル・タイムズが報じた。最小抑止戦略とは、敵国の核攻撃を抑止できる最小限の核戦力を保有し、運用する戦略だ。中国が台湾有事の際、このように米国の軍事的介入を抑制するための最小抑止戦略に必要なもの以上の核兵器を保有しようとしているのではないかという疑念の声が上がっている。実際、沙祖康中国軍縮協会(CACDA)名誉会長は今年9月、米国が軍事的圧迫を強化する状況を考慮し、中国も「核兵器先制不使用」原則を見直す必要があると主張し、議論を巻き起こした。これに対して、デラル・キンボール軍縮協会代表は、中国が核弾頭を大幅に増やすかどうかは、多くの部分で米国の政策と行動にかかっているとし、核脅威の減少に向けた2国間または多国間交渉を急いで行うべきだと強調した。

 米国防総省の報告書は、中国が米国の軍事作戦を妨害し、中国軍の作戦を支援できる海外基地ネットワークの建設を進めていると明らかにした。また、軍事医療機関で民間用はもちろん軍事用として使用できる強力な毒性物質の識別と実験などを行った研究を取り上げ、中国が国際生物化学兵器に関する協定を順守しているかに疑問を提起した。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/1017889.html韓国語原文入力:2021-11-04 10:48
訳H.J

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