本文に移動

米中、外交会談参加者の「格」をめぐり神経戦

登録:2021-07-17 06:36 修正:2021-07-17 07:12
「中国、楽玉成副部長ではなく序列5位の謝鵬副部長を提案 
米国、シャーマン副長官の天津訪問中止」 
アラスカでの舌戦後、神経戦続く 
専門家「訪中日程が追加される可能性も」
3月18日(現地時間)、米アラスカ州アンカレッジで開かれた米中高官級会談に米国側からサリバン国家安保補佐官(右)とブリンケン国務長官(右から2番目)、中国側から王毅・外交担当国務委員兼外交部長(左)と楊潔チ・共産党外交担当政治局長(左から2番目)が出席した=アンカレッジ/AP・聯合ニュース

 ウェンディ・シャーマン米国務副長官の今月末の中国訪問を進める過程で、協議参加者の格をめぐり、中国が米国と「神経戦」を繰り広げているという報道が15日(現地時間)に出た。

 フィナンシャル・タイムズは、シャーマン副長官が中国天津で自分のカウンターパートである楽玉成・外交副部長(外務次官)に会おうとしたが、中国がこれを拒否し、楽玉成副部長より序列の低い外務省序列5位の米国担当の謝鵬副部長を提案したと、4人の関係者の話として報じた。このため、米国はシャーマン副長官の天津訪問計画を中止したと、同メディアは報道した。

 このような報道は米国務省が同日、シャーマン副長官が18~25日に日本や韓国、モンゴルを歴訪すると発表したことに合わせて出た。国務省は国ごとの訪問の日付は明記せず、シャーマン副長官が地域安保とポストコロナの景気回復、気候危機などについて話し合う予定だと明らかにした。シャーマン副長官が今回のアジア訪問で中国を訪問し、バイデン大統領と習近平国家主席の米中首脳会談の地ならしを行うものとみられていたが、国務省の報道資料には中国訪問に関する言及がなかった。

 これと関連して14日、香港のサウスチャイナ・モーニングポストはシャーマン副長官が天津で謝鋒副部長と会談する見通しだと報道した。しかし翌日の15日、フィナンシャル・タイムズはシャーマン副長官側が謝鵬副部長との会談という中国の提案を拒否し、訪中計画を取りやめたと報じた。両国がマスコミを通じて場外神経戦を繰り広げている様子だ。フィナンシャル・タイムズの報道によると、中国側は当初、シャーマン副長官が天津を訪問すれば王毅外相兼外交担当国務委員とのテレビ電話会談も提案したという。

 こうした神経戦は、米中が今年3月のアラスカ高官級協議で激しい舌戦を繰り広げたことの延長線上にあると言える。ジョー・バイデン政府発足後、初めて開かれた協議で、米国のアントニー・ブリンケン国務長官とジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、中国の楊潔チ政治局員、王毅部長と1時間以上、公に批判合戦を行った。

 シャーマン副長官の中国訪問が取消になったとみるにはまだ早い。米シンクタンクのジャーマン・マーシャル・ファンドの中国専門家、ボニー・グレーザー氏はフィナンシャル・タイムズに「中国がアラスカでの尊重不足に対して米国を戒めようとしているのかもしれないし、単にバイデン政権を試しているのかもしれない」とし、中国がより高い地位の高官との会談を提案し、シャーマン副長官の訪中日程が追加される可能性に言及した。

 米国務省当局者も、シャーマン副長官の中国訪問について協議を続けていると同紙に話した。訪問が実現すれば、アラスカ以来4カ月ぶりの米中高官級協議となる。今後、両国の外相会談を経て、首脳会談まで続く地ならしになり得る。米中首脳会談が実現する場合、10月にイタリアで開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)がその舞台になるとみられている。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1003818.html韓国語原文入力:2021-07-16 11:48
訳H.J

関連記事