来月23日に開幕する東京五輪で、日本国内の観客は最大1万人まで認められる。
日本政府と東京都、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)は21日午後、テレビ電話会議を開き、会場の収容定員の50%以内で最大1万人を上限とすることを原則に、観客を入れて開催することに決めたと、NHKが報じた。また、東京五輪は五輪史上初めて、海外の観客を受け入れず国内の観客だけで大会を行うことになった。
ただし、新型コロナの感染状況によっては「無観客」での開催もあり得るとみられる。日本政府は、来月12日まで東京など7地域で緊急事態に準ずる「まん延防止等重点措置」が適用されているが、感染状況が深刻で解除が困難になったり、むしろ状況が悪化し、緊急事態宣言が再発令された場合、「無観客」を念頭に置いて対応していくと明らかにした。組織委員会の橋本聖子会長は会議後の記者会見で「感染状況や医療状況に急激な変化が生じた場合には、速やかに5者会議を開催し、対応を協議する」とし、「そういう状況になったら無観客も含めて考えていく」と述べた。菅義偉首相も同日、記者団に「安全安心のために無観客も辞さない」と強調した。
日本政府は会場内でマスクの常時着用や大声禁止、分散退場など徹底した防疫対策を施行することにした。しかし感染の可能性が高い酒類の販売については「検討中」としている。観客上限が決まるなど、五輪開催の準備に拍車がかかっているが、世論は依然として否定的だ。朝日新聞が19~20日に電話で行った世論調査(回答者1469人)の結果によると、東京五輪について32%が中止、30%が再延期すべきだと回答するなど、62%が開催に反対していることが分かった。開催する場合でも、回答者の53%は「無観客」の状態が望ましいと答えた。五輪開催で新型コロナの感染拡大に「不安を感じる」と回答した割合も83%に達した。