米国が新型コロナワクチンの3回接種を推進すると共に、原料輸出統制など自国中心のワクチン政策にいっそう集中しており、世界のワクチン供給網に支障が予想される。英国の経済紙「エコノミスト」が17日(現地時間)に指摘した。
米国のワクチン製造企業ファイザーとモデルナは、自社ワクチンの2回接種を終えた米国人を対象に、免疫力をさらに高めるための3回目接種用ワクチンを供給する意思を明らかにした。ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営者(CEO)は16日、「CNBC」に出演し「6~12カ月間に3回目のワクチン接種が必要になる可能性が高い」と話した。モデルナのステファン・バンセル最高経営者もこの日、3回目接種用のワクチンを今秋から米国に供給する予定だと明らかにした。アンディ・スレビット米行政府ワクチン対応チーム先任顧問は、「政府は追加接種用ワクチン確保の必要性を考えている」と話した。
こうした中で「エコノミスト」は、米国のワクチンの原料と関連装備の輸出統制により、インドなどのワクチン生産が中断する危機にあると報じた。世界最大のワクチン生産企業であるインド血清研究所(SII)のアダル・プーナワラ最高経営者は、ジョー・バイデン米大統領に「ワクチンの原料の輸出禁止を解除してほしい」と訴える内容をツイッターに上げた。この会社は、アストラゼネカとノババックスのワクチンを月に1億6千万接種分を生産しているが、米国が37の品目を供給しない限り4~6週後から生産の支障が懸念されている。
バイデン政権は2月5日、国防物資生産法(DPA)を発動し、ワクチン確保の強化に乗り出した。この法によれば、ワクチンの原料企業は政府の承認を受けなければ輸出できない。