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日本のリベラル知識人ら「韓国裁判所の『慰安婦』判決は国際法の最近の考え方を反映」

登録:2021-03-25 05:21 修正:2021-03-25 06:51
和田春樹教授ら8人が東京で共同論文発表 
2015年の韓日「慰安婦」合意を発展させることを提案
和田春樹・東京大学名誉教授(左)が2019年9月、『ロ日戦争-起源と開戦』(原題『日露戦争 起原と開戦』ハンギル社出版)の翻訳出版に合わせてソウルで開かれた記者懇談会に出席した様子=ハンギル社提供//ハンギョレ新聞社

 日本のリベラル知識人たちが「韓国裁判所の日本軍『慰安婦』被害者賠償判決は国際法の最近の考え方を反映した最先端のもの」だと強調した。彼らは韓日政府が2015年12月「慰安婦」合意を発展させ、問題解決に乗り出さなければならないと提案した。

 東京大学の和田春樹名誉教授や内田雅敏弁護士、恵泉女学園大学の内海愛子名誉教授など知識人8人は24日午後、東京千代田区の衆議院会館で記者会見を開き、「慰安婦問題の解決に向けて――私たちはこう考える」という共同論文を発表した。

 彼らは、韓国の裁判所が今年1月、日本政府に日本軍「慰安婦」被害者に対する賠償を命じたことについて、「人権は主権免除に優先する、という国際法の最近の考え方を反映した最先端の判決」だと評価した。主権免除(国家免除)とは、「他国の主権行為は裁けない」という国際慣習法をいう。彼らは「ダーバン会議(2001年)以来、植民地支配によって引き起こされた苦痛や犠牲に対して、宗主国であった国が謝罪し、あるいは賠償をする動きが世界各地で見られるようになってきた」と説明した。

 しかし、韓日関係を長い間見守ってきた彼らは「この判決によって、直ちに歴史の問題が解決できるとは考えない」と述べた。「歴史認識と外交、そして国民感情にかかわる問題であり、粘り強い対話と外交的な知恵、そして国民の説得によってしか解決できない」と強調した。

 彼らはA4用紙7枚分の共同論文のかなりの部分を1991年の「慰安婦」被害者金学順(キム・ハクスン)さん(1997年死去)の証言や、1993年の河野談話、2015年の「慰安婦」合意など、25年近く行われた韓日間の和解と妥協の歴史を振り返るのに割いた。また「(歴史問題は)両国民の合意と和解に基づく共同作業をもってしなければならない」とし、「(日本が)韓国側と対話をするしか解決策がない」と主張した。

 彼らは多くの議論はあるものの、「まず『2015年合意』を再確認し、その合意の精神をさらに高めるための努力」を韓日政府に要請した。当時の韓日外相共同記者発表には、「日本政府は責任を痛感している。安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」という内容が含まれている。彼らは日本の菅義偉首相がこの言葉を文書にして署名し、駐韓日本大使を通じて「慰安婦」被害者たちにその意を届けされるべきだと提案した。

 韓国政府に対しても文在寅(ムン・ジェイン)大統領が同合意を公式的に認めただけに、日本政府が合意当時に拠出した基金などを「慰安婦問題研究所」の設立に使うことができるように日本側と協議してほしいと要請した。これは「被害者とその苦しみを忘れず、長く後世に記憶し続ける証しとなる」と主張した。彼らは「コロナ禍や気候変動など、日韓、あるいは東アジア地域は、ともに手を携えてあたらなければならない課題が山積している」としたうえで、「いまこそ日韓関係を改善させなければならない」と強調した。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/988039.html韓国語原文入力:2021-03-25 02:31
訳H.J

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