ミャンマーで3日(現地時間)、軍部がデモ隊に実弾射撃を加え、38人が死亡したと国連が明らかにした。先月のクーデター発生後の死者は累計で59人となった。
東南アジア諸国連合(ASEAN)外相たちが2日、異例にもアウンサンスーチー国家顧問ら政治指導者の釈放などをミャンマー軍部に迫った翌日、再び軍部による流血鎮圧で多くの死傷者が出た。
国連のミャンマー担当クリスティーヌ・シュラネル・ブルゲナー事務総長特使はこの日、オンラインでの記者会見で「今日は2月1日のクーデター発生以来、最も多くの血を流した日だ」とし「クーデター以後、死者は合計50人を超えた」と述べたとロイター通信が伝えた。ブルゲナー特使は「ミャンマーで本当の戦争が起こる可能性もある」と明らかにした。特使は警察が9ミリ機関短銃を使っているとみられる映像を見たとし「また、警察が武装していないボランティア医療スタッフを殴る場面も見た」と話した。
ミャンマーでは先月28日、少なくとも18人の市民が死亡、それ以前にも3人がデモの過程で命を失った。この日までの死者数を合わせると少なくとも59人にのぼる。
この日、ミャンマーではいくつかの都市で軍警が反クーデターデモ隊に実弾銃撃を加えた。ロイター通信は、現地メディアと目撃者の証言をもとに、最大都市ヤンゴンと第2の都市マンダレー、中部のミンジャンやモンユワなどで犠牲者が出たと報じた。AP通信は、「ミンジャンで死亡したのは14歳の少年」とし、犠牲者の頭と胸が血で赤く染まった写真がソーシャルメディアに出回っていると報じた。
ヤンゴン大教区大司教のチャールズ・マウン・ボ氏は「ミャンマーの主要都市の大半が(1989年当時中国の)天安門広場のような状況」だとツイッターに投稿した。ローマ教皇フランシスコは3日、「ミャンマー国民の念願が暴力で打ち砕かれてはならない」と国際社会に訴えた。