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韓国仏教界がミャンマーの民主化を支援するわけは?

登録:2021-02-23 08:22 修正:2021-02-23 09:45
ミャンマーで民主化のためのデモに出た僧侶たち=BTNよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ミャンマーで軍部の発砲でデモ参加者が相次いで死亡している中、韓国の仏教徒たちがミャンマー軍部の暴圧を強く非難し、ミャンマーの民主化に向けた支援に乗り出している。

 実践仏教全国僧家会は最近、「ミャンマー民主化運動支持連帯声明書」を発表し、戒厳令撤回と暴力鎮圧中断、民間政府への権力委譲を求め、こうした動きに拍車をかけている。実践仏教全国僧家会は、1980年に全斗煥(チョン・ドゥファン)軍部政権による光州(クァンジュ)市民虐殺を機に、ジソン僧侶(現民主化運動記念事業会長)をはじめとする僧侶が結成した仏教界の代表的な団体だ。同団体は、仏教者国際連帯会議(INEB)を通じてミャンマーの状況を全世界に伝え、連帯を広げている。

 仏教環境連帯や参与仏教在家連帯など11の仏教NGOも「ミャンマーの平和と民主主義を念願する仏教界の市民団体」を結成し、支援活動を行っている。彼らは「仏教的価値から見てクーデターと暴力的鎮圧は容認できない」とし、クーデターの中止を求めた。曹渓宗総務院労組も「修行のために世界の人々が訪れる美しいミャンマーのために、銃と刀を下ろすよう」求めた。21日夜には瞑想団体連合「平和になろう」(Be The Peace)が1時間、ミャンマーの平和のための瞑想を行った。

ミャンマーで民主化のためのデモに出た僧侶たち=BTNよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ミャンマーはアウンサンスーチー国家顧問をはじめ、人口の90%が仏教徒の国だ。しかし、韓国の仏教徒たちが特別な関心を示すのは、ミャンマーが仏教国家だからだけではない。ミャンマーは修行に情熱を持つ韓国の仏教徒にとって、タイやラオス、カンボジアなどよりも海外修行先としてに人気のある国だ。1990年代後半からミャンマーが釈迦牟尼当時の修行法をそのまま保存していると知られ、韓国の修行界に「ミャンマー行きブーム」が広がった。ミャンマーは仏教の本場であるインドで初期仏教修行法が滅失した後も、唯一その命脈を受け継いできた国だ。西欧で旋風的な人気を博している四念処(Satipatthana)修行の元祖がミャンマーのヴィパッサナーだ。ユヴァル・ノア・ハラリ氏が修行するというゴエンカ修行センターの元祖もミャンマーだ。ミャンマーの首都ヤンゴンをはじめ、有名なヴィパッサナーの修行センターには、毎年、短くて数週間、長くて数年の韓国人が滞在する。

 ソンチョル僧侶が滞在した海印寺白蓮庵で、ウォンタク僧侶を恩師として出家し、2005~2007年にミャンマーに滞在しながらヴィパッサナー修行をしたジェタワナ禅院長、イルムク僧侶は「現地では僧侶でも政治の話をすればお寺が閉鎖され、逮捕される雰囲気だった」とし、「ミャンマー軍部が修行センターを経済的に支援する一方、現実に関心を持たないようにしている」と伝えた。

 韓国仏教界は「ミャンマーの民主化過程が韓国の再現」という点で、懸念を示している。実践仏教全国僧家会名誉代表のイルムン僧侶は「韓国でも1980年代まで軍部から支援を受けた高僧たちは独裁に協力し、若い僧侶たちだけが民主化に参加した。ミャンマーでも若い僧侶たちだけが危険を冒して街頭に出ている」とし、「仏教国家であるミャンマーで社会的に影響力のある高僧たちが良心の声をあげてほしい」と述べた。さらに「韓国も軍部による12・12クーデターに続く5・18光州虐殺当時、国際的な連帯と支援を受けて民主化を成し遂げた歴史がある」とし、「似たような過程を経験したミャンマー市民と仏教界にもそのような助けが必要だ。仏教界が先頭に立って連帯して支援しなければならない」と話した。

チョ・ヒョン宗教専門記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/well/news/984018.html韓国語原文入力:2021-02-23 02:37
訳H.J

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