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太平洋に目を向ける英国…CPTPP加盟を申請

登録:2021-02-01 01:46 修正:2021-02-01 08:49
ジョンソン首相「新たなパートナーシップ構築」 
CPTPPに新規加盟する初の国となる見通し 
議長国日本「歓迎」…中韓は加盟を検討 
 
メディア「中国けん制する『クアッド』へ参加の可能性」 
経済、外交・安保分野で「脱欧州」模索
英国のボリス・ジョンソン首相/EPA・聯合ニュース

 英国は30日(現地時間)、ブレグジット(欧州連合(EU)脱退)以降の貿易活性化のため、1日に「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」への加盟を申請することを明らかにした。発足時の加盟国以外による公式な加盟申請は英国が初となる。また、中国を牽制するために米国などが結成した枠組み「QUAD(クアッド、日米豪印戦略対話)」に英国が参加する可能性があるという見方も出ている。経済と外交・安保の枠組みの欧州外への拡大を狙う英国の動きが本格化している。

 英国のボリス・ジョンソン首相はこの日の声明で「EU脱退後、我々は英国人に莫大な経済的利益をもたらす新たなパートナーシップを構築する」と述べた。ジョンソン首相は「英国は、CPTPPに新規加盟する最初の国としてグローバル自由貿易の先駆者となり、全世界の友好国およびパートナーと最良の関係でビジネスを展開するという我々の熱意を示すもの」と強調した。

 英国は昨年1月末のブレグジット断行後、カナダ、日本、ニュージーランド、ベトナムなど11カ国が貿易の壁をなくしたり低くしたりするために作ったCPTPPに参加すると発表していた。CPTPPは、米国が主導した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から米国が脱退したため、日本やオーストラリアなどの残された国々が修正を経て結んだ協定だ。

 CPTPPを主導し、今年の議長国でもある日本は、英国の加盟を歓迎する雰囲気だ。経済大国の英国が加盟すれば、CPTPPの影響力も強まるからだ。現在、世界の国内総生産(GDP)に加盟11カ国が占める割合は13%だが、英国が加盟すると16%に高まる。また、欧州でCPTPPが作った通商規則が適用される初の事例となる。ただ、英国が最終的に加盟に至るまでには時間がかかりそうだ。日本経済新聞は、作業部会が関税や電子商取引、投資に関する自由度などのCPTPPの条件を英国が受け入れられるかなどの「加盟基準に適合するか確かめる」とし「加入は全批准国の賛成が条件。英国の手続きは1年近くかかるとの見方もある」と報じた。

 英国を皮切りとして、加盟国がさらに増えるかどうかも関心事だ。米国は、自由貿易による雇用減少などで労組が反対しているため、バイデン政権による早期復帰は容易ではないという見方が出ている。中国と韓国は加盟を検討している。ただし日本は、高い市場開放などの現行のルールを維持すれば、中国の参加は容易ではないと見ている。

 英国は外交・安保分野でも「脱欧州」を模索しているようだ。米国、日本、オーストラリア、インドが、中国を牽制するインド太平洋戦略を実行するために作った「クアッド」に、英国が入る可能性があると現地メディアは相次いで報じた。「デイリー・テレグラフ」は28日、「英国は香港問題などで中国との対決構図が強まっているが、アジアにもっと関与すべきだという保守派の声が高まっている」とし、クアッドに参加する可能性があると報じた。「ザ・タイムズ」も「ジョンソン首相がインドを訪問する際にクアッドに出席するかどうかを提起し、協議する可能性がある」と29日に報じた。英国の与党・保守党に対する影響力が強い英シンクタンク「ポリシー・エクスチェンジ」も、昨年11月に報告書を発表し、「インド太平洋地域の状況は、ブレグジット後の英国の戦略に大きな影響を与える」とし、クアッドへの参加を提言している。

 クアッドは、2019年9月に米ニューヨークで初めて開かれた。昨年10月には日本の東京で2回目の会合が開かれ、定例化することで意見が一致した。米国のジェイク・サリバン国家安保担当大統領補佐官は29日、米国平和研究所が主催する画像セミナーに参加し、クアッドについて「インド太平洋地域において米国の政策を発展させるための根本的な土台と考えている」とし「その形式とメカニズムをさらに発展させたい」と述べている。

キム・ソヨン記者、ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/globaleconomy/981146.html韓国語原文入力:2021-01-31 15:36
訳D.K

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