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大統領府「RCEPとCPTPPは対立ではなく補完的関係」

登録:2020-11-16 06:43 修正:2020-11-16 08:18
RCEPは米国のTPPを牽制するためのもの? 
大統領府「中国主導という見方は誤解 
交渉を主導したのはASEAN」 
文大統領「歴史的瞬間」
文在寅大統領が今月15日、大統領府で開かれた世界最大規模の自由貿易協定(FTA)である「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)の調印式に出席し、ユ・ミョンヒ通商交渉本部長が協定文に署名した後、拍手している=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 世界最大規模の自由貿易協定(FTA)である「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)に15日、加盟国が署名した。大統領府はRCEPと「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)が「互いに対立する関係ではなく相互補完的な関係」だと述べた。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同日、オンラインで行われたRCEP首脳会議の冒頭発言で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と保護貿易の拡散、多国間体制の危機の前で、若くて躍動的なASEAN(東南アジア諸国連合)が中心となり、世界最大規模の自由貿易協定を締結することになった」とし、「我々は自由貿易の価値の守護を行動に移した。歴史的な瞬間だ」と述べた。RCEPはASEAN10カ国に韓国、中国、日本、オーストラリア、ニュージーランドを加えた15カ国が署名した世界最大規模の自由貿易協定であり、CPTPPは環太平洋経済パートナー協定(TPP)から米国が脱退したことを受け、日本など残りの国が修正して作った協定だ。

 来年1月にバイデン政権が発足すれば、米国がTPPに復帰するという見通しもあり、韓国が加盟したRCEPは当初、中国が米国主導のTPPを牽制するために積極的に交渉に乗り出したという見方もあった。これに対し、カン・ミンソク大統領府報道官は同日に行われた春秋館でのブリーフィングで、「RCEPを中国が主導する交渉だったかのように誤解する人もいるが、中国主導の交渉ではない」とし、「中国は他の国と同じくRCEPに加盟する15カ国のうち一つだ。交渉開始から今回の妥結まで交渉を主導したのはASEAN」だと述べた。

 大統領府の主要関係者は同日、記者団に「RCEPとCPTPPは互いに対立的または対決的な関係ではなく、相互補完的な関係だ。ASEAN諸国の中でベトナムやシンガポールなど4カ国と日本やオーストラリア、ニュージーランドなどはいずれも加盟している。それなのに、どうして対立的だと言えるのか」と述べた。同関係者は「我々は米中対決の観点ではなく、多国間主義に立脚した域内自由貿易秩序を拡大する趣旨でRCEPに加盟した」と付け加えた。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/970025.html韓国語原文入力:2020-11-16 02:42
訳H.J

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