米大統領選挙でジョー・バイデン候補が当選した場合、包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)を推進し、韓国にも加盟を求める可能性があり、これへの対応を準備しなければならないという分析が出た。
国策研究機関である対外経済政策研究院(KIEP)が6日に発表した報告書「米国のバイデン政権の経済政策の展望と示唆点」で、バイデン政権は中国を牽制する目的でより高い水準の環太平洋経済パートナー協定を推進し、韓国にも参加を要請する可能性が高いため、これに対応する論理が必要だと指摘した。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や一帯一路を通じて影響力を拡大しようとする中国を牽制するため、米国中心の多国間貿易協定を推進しうるという見通しだ。かつて、オバマ政権は日本と共に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を推進したが、トランプ政権が発足し、米国が抜けたまま進められた。韓国も米国同様加盟していないが、バイデン政権が発足した場合、再び加盟の必要性について検討する必要があるものと見られる。同報告書は「バイデン氏が強調する同盟国との連帯強化および国際協力体制復元基調により、米国が主導する形態のCPTPPの拡大または第2のTPPの推進が予想され、当該協定に伝統的な友好国として韓国の参加を求める可能性があるため、これに対する対策を設ける必要がある」と強調した。
さらに、トランプ時代に強化された保護貿易主義は緩和されると見通した。同報告書は「トランプ政権とは異なり、議会との積極的な協力を通じて通商問題を解決していくものとみられる」とし、「議会の介入を避けて大統領の職権で活用できる自国の通商法(通商拡大法232条、通商法301条)に基づいた輸入規制および関税賦課措置は減る見通しであり、各件に対して積極的に議会と論議して協力する姿を見せるだろう」と予想した。
同報告書はまた、バイデン政権は米国中心のサプライチェーンの構築に乗り出す可能性が高く、韓国が強みを持つ自動車や半導体、医療装備などの分野で参加や協力を模索しなければならないと分析した。報告書は「国家非常事態に備えて必須物資を安定的に確保し、中国との技術覇権争いで米国が優位を占めるべきだという立場には、共和党だけでなく民主党とバイデン政権も共感している」とし、「米国が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がる中、供給不足に陥ったマスク、酸素呼吸器など必須医療用品及び装備のような必須物資を韓国は成功的に管理したため、韓国のこうした経験を米国と共有し、協力を推進する必要がある」と強調した。さらに「バイデン政権は技術で頭角を現していく中国を防ぐ目的で中国を排除した自国のサプライチェーンの構築を積極的に推進するものと予想されるため、韓国が強みを持つ半導体、自動車などの分野で米国中心のサプライチェーンの再編過程に直接参加したり、協力が可能な案を模索する必要がある」と付け加えた。