中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が10月中旬に可決した「輸出管理法」が、1日に発効した。レアアースの輸出制限など、対米報復措置を取る法的根拠が整備されたという評価が出ている。
国営「新華社通信」はこの日、「輸出管理リストの作成や輸出許可制などを含めた国家輸出管理制度を統一的に実施するための輸出管理法が正式に発効した」と報道した。同法は、中国の最高立法機関である第13期全人代において、10月17日に開かれた常務委員会で可決され、前文や付則などと5章49条からなる。
具体的にみると、国家の安全や開発利益の侵害▽大量破壊兵器および運搬手段の設計、開発、生産、使用▽テロ目的の使用の可能性がある原材料を含む商品やサービス、技術に対し、国による輸出許可制(11条)を施行する。規制対象品目の最終使用者は、許可なしにその品目の最終用途を変更したり、第3者に譲渡したりできないようにするなど、最終使用者や用途に対する管理(16条)も強化された。
この他にも、輸出業者は、規定に違反して輸出管理リストにのぼった輸入業者や最終使用者との取引も禁止(18条)される。輸出管理措置を乱用して中国の安保と利益を害する他の国や地域に対しても、対応措置(48条)が取れるようにした。このため、国家安保などを掲げ、華為(ファーウェイ)をはじめとする中国の先端企業を制裁している米国を狙った「対抗カード」という評価が出ている。
中国共産党系の「グローバル・タイムズ」は専門家の言葉を引用し、「米国は、中国から輸入したレアアースで半導体を作りながら、華為などの中国企業への半導体輸出を阻止するのは理にかなわない」と主張した。インターネットメディア「網易(ネットイース)」も「先端技術用の原材料の供給網を遮断し、中国の成長を抑制しようとした米国と西側諸国も、中国の戦略資源の輸出制限により困難を強いられる状況になる可能性がある」と伝えた。