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米中、東アジアめぐり10月に息つまる外交折衝戦

登録:2020-09-28 20:54 修正:2020-09-29 10:13
米国務省庁舎=資料写真//ハンギョレ新聞社

 米大統領選挙を目前に、東アジアをめぐり米中両国の激しい外交折衝戦が再び燃え上がっている。

 米国務省は27日(現地時間)、「南シナ海に対する中国の空約束」というタイトルの声明を出し、中国の習近平国家主席が5年前の2015年9月25日にホワイトハウスで「中国には南シナ海を軍事化する意図はない」と約束しておきながら、これを破ったと強く非難した。トランプ政権は大統領選挙が近づくなか「自由を愛する国家たちが、中国の変化を導かなければならない」、「見えない敵である中国ウイルスと激しく戦っている」など、刺激的な表現で“中国たたき”に熱中している。友好国に対し“対中包囲網”に参加してほしいと訴えているわけだ。

 これと関連して日本の外務省は25日、米国、日本、オーストラリア、インドによる4カ国安保協議体である「クアッド」の局長級会議をオンラインで進めたと明らかにした。外務省はこの日、参加国が「閣僚級を含め今後も定期的協議を通じて、自由で、開かれた、繁栄する、ルールに基づくインド太平洋を支えていくに当たり、実践的協力を推進していくことで意見の一致を見た」と明らかにした。今回の会議は10月初めに東京で開かれるクアッド外相会議の実務準備のために開かれたものであり、参加国が外相会議など各級会議の“定例化”に合意したことを確認できる。

 米国のすばやい動きに対し、中国もすみやかな反応を示した。日本メディアは28日、中日政府が王毅中国外交部長の10月訪日に向けた調整に乗り出したと報道した。クアッドの主要当事国である日本を訪問し、中日間のコミュニケーションを強化し、過度な緊張高揚を阻む試みと解釈される。王毅部長が東京を訪問すれば、習近平中国国家主席の早期訪韓など先月末の韓中合意事項を点検するために韓国を訪れる可能性も大きい。

 殺伐とした米中対立の中で、目につくのは韓国政府の動きだ。27日(現地時間)米国に到着した外交部のイ・ドフン朝鮮半島平和交渉本部長は、(米国との協議で)文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会演説で言及した終戦宣言も議論するかという特派員の質問に、「当然話すつもりだ。一度座って話せば共感が得られると思う」と話した。可能性は低くみえるが、マイク・ポンペオ米国務長官がクアッド外交長官会議に参加するために日本を訪問する際に、韓国にも立ち寄って、北朝鮮のキム・ヨジョン労働党第1副部長が7月の談話で言及した「独立節記念行事を収録したDVD」を手渡すなどのパフォーマンスを行うならば、硬直した南北・朝米対話の糸口が見つかる可能性もある。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/963974.html韓国語原文入力:2020-09-28 18:17
訳J.S

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