産業通商資源部のユ・ミョンヒ通商交渉本部長が世界貿易機関(WTO)次期事務局長選挙の最終ラウンドに残ったことについて、ユ本部長をけん制した日本では「想定外」とし、日本政府の対応を求める声があがっている。
右翼性向の産経新聞は9日付で歴代の事務局長に女性やアフリカ出身者がいないことから、最終選考となる第3ラウンドでは当初、ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相とケニアのモハメド元外相の女性2候補が争うシナリオが予想されていた」とし、「日本政府で警戒感が広がっている」と報道した。さらに「日本政府は“想定外”の結果への対応が求められそうだ」と報じた。同紙は米中対立の中で韓国が中立的な役割を果たせるという戦略が功を奏し、特に欧州連合(EU)の支持を獲得したことが、ユ本部長が決選に残った主な要因だったと分析した。
日本経済新聞も同日、「日本が対韓輸出の管理を厳格化した時に、通商交渉本部長として強く日本に反発し、WTOへの提訴も主導した」とし、「このため、日本は支持しにくいとの見方がある」と報じた。
事務局長を務めるにはユ本部長の「格が低い」という見方も示された。毎日新聞は「ナイジェリアのヌコジ・オコンジョイウェアラ候補は世界銀行に長く勤めた経験など国際的なバランスに優れている」と評価した。一方、ユ候補に対しては「実務経験はあるが、官僚出身で、世界貿易機関事務総長は閣僚級が務めるという慣例に合致しない」とし、「国際機関のトップとしては軽量級との見方がある」と報じた。また同紙は「ユ候補が事務局長になっても個別事案に関与することはできないが、日本国内で懸念の声が高まる可能性があり、政府も警戒感を持っている」と報道した。
WTOは今月19日から27日まで164の加盟国の意見を集め、来月7日ごろ最終結論を出す予定だ。