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ユ・ミョンヒWTO次期事務局長候補、「最後の2人」にどのように入ったか

登録:2020-10-09 06:24 修正:2020-10-10 18:23
人物より自らの地域・大陸の候補、「地域主義投票」が明確 
韓国側、EUに「アフリカに票を集中させると、WTO改革の助けにならない」と強調
産業通商資源部のユ・ミョンヒ通商交渉本部長//ハンギョレ新聞社

 産業通商資源部のユ・ミョンヒ通商交渉本部長が世界貿易機関(WTO)の次期事務局長候補の最後の2人に入るまで、どのようなことが水面下で起きたのだろうか。現在進行中の次期事務局長の選出過程では、人物より自らの地域・大陸の候補に票を投じる地域主義に基づく投票形態が明らかだという。強大な影響力を持つ欧州連合(EU)が、当初の予想と異なりナイジェリアとケニアの両候補のどちらも“選好候補”として提示する代わりに、ユ・ミョンヒ候補を最終第3ラウンドに進出する候補の1人に挙げることになったのも、韓国側がEUなどに「あからさまな地域グループの力比べの争いはやめよう」と集中的に説得したことが功を奏したという評価だ。

 通商当局の高官は8日、「今回の選挙では、164のWTO加盟国が地域・大陸に基づく投票形態を示す傾向」にあるとして、「私たちがEU(27カ国)にひたすら『欧州がアフリカ側に近いことは分かる。しかし、欧州の加盟国までが単純に地域的・歴史的な縁故にしたがった支持の態度を示せば、危機に瀕しているWTOを改革し、多国間貿易体制を修復しなければならない今の時期に、欧州は責任を逃れられなくなる』と説得した」と述べた。EUはアフリカと歴史的・地域的に近いが、最終決選にアフリカの候補2人を立てると、欧州も地域主義の投票の責任から逃れることができなくなるという主張を戦略的に繰り広げたということだ。27のEU加盟国は一つに団結し、共同単一候補を“選好候補”として提示している。現在の事務局長選出の選挙戦は、加盟国が自らの地域・大陸から出た候補者に票を結集させる力比べの様相を示していると評されている。事実、当初の全候補者8人の中から第2ラウンドに進出した5人のうち、英国の候補とサウジアラビアの候補の場合、それぞれ英連邦国家およびイスラム国家から集中して投じられた票を得たと分析されている

 同高官は、「WTOを導いてきたEUは、このような地域主義の投票形態を阻止しなければならない責任がある。欧州ですらこのような形でプレーし、新しい局長が選ばれるのなら、WTOに何の助けになるのか、と私たちが主張した」と述べた。ユ本部長の長きにわたる通商専門家の経験と政治的力量を浮き彫りにし、同時に地域縁故の投票形態を批判してきた韓国側の両面戦略が通じたという分析が出ている。

チョ・ゲワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/965019.html韓国語原文入力:2020-10-08 19:07
訳M.S

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