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日本、「軍艦島」強制労働を隠蔽した産業遺産情報センターを開設

登録:2020-04-02 08:55 修正:2020-04-02 11:37
東京都新宿区の政府庁舎に設置 
「いじめられたことはない」元島住民の証言など展示 
 
ユネスコへの約束の履行は無視 
運営団体理事「朝鮮人が虐待されたという話は聞いていない」
朝鮮人強制労働で悪名高い長崎県の「軍艦島」(端島)の様子=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 日本政府が「軍艦島」という通称で有名な端島など「明治日本の産業革命遺産」を広報する「産業遺産情報センター」を東京に開館する。「端島で朝鮮人に対する差別はなかった」という内容が展示されるものと伝えられ、朝鮮人強制労働の歴史歪曲批判が起こるものと思われる。

 日本政府が31日、東京都新宿区の総務省第2庁舎別館で産業遺産情報センターの開館式を行うと「産経新聞」が報じた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大で関係者のみ出席し、一般公開は当面延期する。太平洋戦争当時、端島にいた在日朝鮮人2世が生前に「周りの人からいじめられたことはない」(強制労役はなかったという趣旨)と残した証言をはじめ、元端島住民36人の証言が動画で紹介される予定だ。

 日本政府は朝鮮人強制労働で悪名高い長崎県端島を含め、日本国内の炭鉱・製鉄所23カ所など「日本近代産業革命遺産」としてユネスコ世界文化遺産に登録しようとした。韓国外交部が登録に反対し、ユネスコはできるだけ当事者同士で解決せよという態度だった。結局、日本は2015年の登録審議で「朝鮮人強制労働の歴史を伝える」としてセンター設置を約束し、登録に成功した。日本政府の代表は審議で「(端島など一部の産業施設で)1940年代に朝鮮人が『自分の意思に反して』動員され、『強制労働』されたことがあった。犠牲者を偲ぶため情報センターを設置する」と明らかにしている。

 しかし、世界文化遺産に登録された後、日本政府が同センターを朝鮮人強制労働の歴史を消して歪曲する施設として作ろうとしているという懸念が提起された。実際、日本政府が昨年12月にユネスコに提出した「明治日本の産業革命遺産」の2回目の後続措置履行の経過報告書の性格を持つ『保全状況報告書』を見ると、朝鮮人強制労働被害に関する言及が全くない。韓国外交部当局者は当時「履行報告書を担当する世界遺産センターに、日本政府が約束を守っていない部分を直接問題提起し、世界遺産委員会など多国間会議を通じても履行を求めていく」と明らかにした。

 産業遺産情報センターを運営するのは財団法人「産業遺産国民会議」だ。日本政府が「明治日本の産業革命遺産」の産業労働分野の研究調査を委託した団体だが、朝鮮人強制労働を否定したり、希釈する内容の報告書を継続的に作成してきた。「産業遺産国民会議」の専務理事の加藤康子氏は「産経新聞」に「一次史料や当時を知る証言を重視した」とし、「元(端島)島民から話を聞いたが、朝鮮人が虐待されたという証言は聞かなかった。判断は見学者の解釈に任せたい」と述べた。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/935048.html韓国語原文入力:2020-04-01 02:14
訳C.M

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