「平和の少女像」(以下「少女像」)の展示を問題視し、安倍晋三政権が愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」への補助金支給の取り消しを決定したことに対し、日本の市民たちの抗議が相次いでいる。
NHKは1日、前日の30日夜に東京の文化庁の前で市民200人あまりが日本政府の決定に抗議する集会を開いたと伝えた。市民らはSNSを通じて集まり、「アートへのいじめをやめてほしい」「芸術を守ろう」と訴えた。集会に参加した30代の女性は放送で「ニュースを聞いて怒りが込み上げてきた。国にはアートをいま一度見つめ直してほしい」と語った。
安倍晋三政権は、少女像が日本の公共美術館に完全な姿で8月1日に初めて展示されると、政府補助金を支給しないことをほのめかした。8月2日、菅義偉官房長官は「(補助金) 審査の時点では、具体的な展示内容の記載はなかった」とし、「事実関係を確認したうえで、適切に対応していきたい」と述べた。当時は、あいちトリエンナーレを主催する愛知県に右翼が少女像を展示するなという脅迫電話やファックスを送ってきていた時だ。菅長官の発言は、政府レベルの圧力に当たるという批判がわき起こった。結局、愛知県は少女像が展示されていた「表現の不自由展・その後」と題する企画展示全体を開幕わずか3日目の8月3日に中止している。先月26日には、文化庁があいちトリエンナーレに支給する予定だった補助金7800万円全額の支給取り消しを決定した。愛知県は30日、「表現の不自由展・その後」企画展の実行委員と早ければ今月の6日にも展示を再開することで合意した。
日本の美術評論家連盟も最近、補助金取り消し決定の撤回を求める声明を発表した。オンライン署名サイト「チェンジ(www.change.org)」では1日午後5時37分現在、補助金取り消しの撤回を求める署名に9万4546人が応じている。しかし、安倍首相の側近とされる萩生田光一文部科学相は1日に開かれた記者会見で「(愛知県の補助金)申請手続きに不適切な行為があったということで(補助金の)不交付をすでに決めている。方針を変える予定はない」と述べた。