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あいちトリエンナーレの少女像展示、早ければ6日から再開

登録:2019-10-01 06:10 修正:2019-10-01 07:34
「表現の不自由展・その後」実行委員会と合意 
早ければ6日、遅くとも8日には再開することに 

右翼と日本政府の圧力を乗り越え 
実行委員「市民社会が動いた結果…大きな勝利」
8月1日、日本の愛知県名古屋市愛知芸術文化センターで開かれた「表現の不自由展・その後」企画展示場に「平和の少女像」が展示されている姿=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 日本で開幕から3日で急遽中止された「平和の少女像」(以下、少女像)の展示が、早ければ6日から再開される見込みだ。

 日本最大の国際芸術祭のあいちトリエンナーレ(トリエンナーレ)を主催する愛知県と、少女像が含まれた企画展示「表現の不自由展・その後」実行委員たちは、早ければ6日、遅くとも8日から展示を再開する方向で、30日に合意した。具体的な再開の日程と内容については、協議を続ける予定だ。トリエンナーレが14日に閉幕するため、少女像の再展示期間は1週間前後になるものと予想される。

 大村秀章愛知県知事と「表現の不自由展・その後」企画展実行委員たちは同日、展示中止以前と展示の一貫性を維持すると共に、必要に応じて作品の解説を行う教育プログラムを実施することと、安全維持のための事前予約を受け付けることを条件に、展示の再開に合意した。これに先立ち、企画展実行委員は13日、展示場の入口に設置された3メートルの壁を撤去して展示の再開を命じてほしいとし、名古屋地方裁判所に仮処分申請を行ったが、同日、名古屋地裁でこのような内容で和解した。

 岡本有佳企画展実行委員は同日、ハンギョレとの電話インタビューで、「大きな勝利」だと評価した。岡本委員は「展示の一貫性の維持に合意したという点が重要だ。展示の内容には介入しないという意味」だとし、「展示の中止に抗議し、海外作家が作品の展示をボイコットし、市民社会が大きく動いたからこそ、このような成果が可能になった」と述べた。

 出品された少女像は、駐韓日本大使館前の「平和の少女像」を制作した彫刻家キム・ウンソン氏とキム・ソギョン氏夫妻が、同じ形で作ったものだ。キム・ウンソン氏は同日、ハンギョレに「まだ『表現の不自由展・その後』実行委から公式通知が来ていない」としながらも、「閉幕を控え、数日でも少女像が観客に会えるのは嬉しいことだ」と語った。

 少女像の展示は日本内で代表的なタブーの一つだ。にもかかわらず、今回の企画展は、少女像が日本の公共美術館で完全な形で初めて展示された事例であり、日本国内でも大きな注目を浴びた。しかし8月1日、「表現の不自由展・その後」企画展で少女像が展示されると、日本の右翼は「電突攻撃」と呼ばれる電話抗議をはじめ、組織的にファックス及び電子メールで抗議活動を行った。単なる抗議だけでなく、「ガソリン缶を持って展示場に行く」という脅迫もかなりあったという。

 地方政府や中央政府でも、右翼の活動を積極的に止めなかった。名古屋市の河村たかし市長は少女像の展示が「日本人の心を踏みにじるもの」だとし、公共機関長として右翼の行動に同調する姿を見せた。菅義偉官房長官も展示の中止翌日の8月2日、企画展の内容に詳細な記載がなかったとし、トリエンナーレに対する政府補助金支給の拒否を示唆した。 実際、日本の文化庁は今月26日、政府補助金7800万円の支給を拒否する最終決定を下した。

 日本政府と右翼の全面的な圧力を受けた愛知県は、安全を保てないとして、展示から3日後の8月3日、展示を中止した。展示作品の前に高さ3メートルの壁を設置し、観覧を防いだ。少女象の展示中止を受け、トリエンナーレに作品を出品した韓国を含む外国作家たちが展示ボイコットを宣言した。展示の中止後、日本社会では表現の自由に関する議論が活発に行われ、愛知県は「表現の不自由展・その後」の展示過程の検証のため、外部の専門家らによる検証委員会を設置した。検証委は今月25日、展示の中止が「表現の自由に対する不当な制限ではない」としながらも、「条件が整い次第速やかに再開すべきだ」と勧告した。

東京/チョ・ギウォン特派員、ノ ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/911457.html韓国語原文入力:2019-09-30 21:38
訳H.J

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