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平和の少女像のキュレーター「愛知県、本心では展示再開を望まないのでは」

登録:2019-09-03 08:06 修正:2019-09-03 13:28
「作品を見せないこと自体が検閲」 
「日本の暗い歴史に検閲が集中する」 
芸術監督は再開可否について言及避ける
今月2日、東京都千代田区の日本外国特派員協会(FCCJ)で開かれた記者会見で、「表現の不自由展・その後」企画展示実行委員らが開幕から3日後に展示が中断された平和の少女像の展示再開を求めている=チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 「(あいちトリエンナーレ主催側は)『表現の不自由展・その後』企画展示の中止が検閲ではなく安全のためだと言うが、私たちはそう思っていない。作品を見せないのは検閲にあたる」

 「平和の少女像」の展示中止事態と関連し、キュレーター(実行委員)たちが2日、東京都千代田区の外国特派員協会(FCCJ)で開かれた記者会見で、平和の少女像が含まれた「表現の不自由展・その後」企画展示の再開を要求した。これに先立ち、先月3日、大村秀章愛知県知事はテロを予告するかのような電話とファックスが届いたことを理由に、「表現の不自由展・その後」企画展示全体を開幕から3日後に中止すると発表した。

 企画展実行委員である岡本有佳氏は同日、「大村愛知県知事と津田大介あいちトリエンナーレ芸術監督は、作家とキュレーターである私たちに展示の中止について意見を聞き、歩調を合わせるべきだった」とし、あいちトリエンナーレ主催側が一方的に展示中止を決めた点を批判した。さらに「職員たちが公務員であるという理由で、(右翼の)抗議電話がかかって来ても切れないようにした」とし、「職員に対する事前研修も行われなかった」と述べた。

 企画展実行委員で美術評論家のアライ=ヒロユキ氏は「日本社会の検閲は、ほとんどが日本の暗い歴史を取り上げた作品に対して発生する。2015年からこのような傾向が高まり、最近、特に悪化した」としたうえで、「愛知県は言論の自由を守るために総力を尽くしたのか。私たちは懐疑的だ」と述べた。また別の実行委員の小倉利丸氏は「名古屋という大都市を有する愛知県は様々な国際会議を開いてきた。なのに、このような小さな展示会さえ守れないのか。本心では(展示を)やりたくないのではないか」と皮肉った。

 現在、少女像を含む「表現の不自由展・その後」企画展示の作品は展示場にそのまま残されている。しかし、展示場の前には壁が設置され、観覧客が見られない状態だ。実行委員たちは、あいちトリエンナーレ全体展示期間である10月14日まで、展示を再開すべきだと主張した。

 大村知事は「表現の不自由展・その後」展示検証委員会の調査結果を見守るとし、展示の再開には消極的だ。津田芸術監督は同日、実行委員たちの前に同じ場所で記者会見を開き、現段階では再開の可否について言えないという見解を示した。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/908134.html韓国語原文入力:2019-09-02 17:53
訳H.J

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