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国連「北朝鮮、サイバーハッキングで最大20億ドルを奪取」

登録:2019-09-07 06:33 修正:2019-09-07 08:09
安保理傘下北朝鮮制裁委、2~8月の更新報告書を公開 
「北朝鮮、実験を中止したものの、核・ミサイル計画の改善を続けている」 
専門家「サイバー攻撃、ラップトップとインターネットがあれば可能な低リスク高収益」 
国連安全保障理事会傘下の北朝鮮制裁委員会が今月5日(現地時間)、北朝鮮の制裁違反関連報告書を公開した。写真は、北朝鮮が船舶間の瀬取りで精製油を密売する姿を撮った報告書の一部分//ハンギョレ新聞社

 国連安全保障理事会(安保理)傘下の北朝鮮制裁委員会は5日(現地時間)、北朝鮮が2017年末以降、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を中止したにもかかわらず、核・ミサイルプログラムの改善を継続していると評価した。暗号貨幣取引所などに対するサイバーハッキングで、北朝鮮が最大20億ドルを奪取したとも分析した。

 北朝鮮制裁委は独自の専門家パネルの評価と加盟国の報告などに基づき、今年2月から8月初めまで更新された内容を中心に、北朝鮮の安保理制裁違反などに関する上半期報告書を同日公開した。

 制裁委は「核実験はなく、豊渓里(プンゲリ)実験場を閉鎖した後にもかかわらず、北朝鮮の核計画は作動している」と評価した。寧辺(ヨンビョン)の核施設で軽水炉建設作業が続いており、近くの九龍江(クリョンガン)で浚渫作業が繰り返し観察されたという。ただし、制裁委は「同期間(2~8月)、寧辺の核施設の5メガワット原子炉の稼動の兆しはなく、多くの加盟国が5メガワット原子炉で使用した核燃料棒が再処理施設に移されたかどうかについて判断できなかったと制裁委に報告した」と伝えた。制裁委はまた、北朝鮮が5月4日と9日に発射した短距離弾道ミサイル(SRBM)の飛行軌跡が既存のスカッドミサイルより(軌道が)平坦であり、弾道ミサイル防衛システムを突破する北朝鮮の能力が向上したと評価した。

 北朝鮮のサイバーハッキングも制裁委が注目した事案だ。制裁委は「北朝鮮サイバー人材は偵察総局の指示によって、大量破壊兵器(WMD)プログラムに必要な資金を集めており、その金額は最大20億ドルと推定される」と明らかにした。制裁委は、北朝鮮が17カ国を対象に行った少なくとも35件のハッキングを調査していると伝えた。また、このようなサイバーハッキングは、従来の伝統的な銀行取引より追跡が難しく、各政府の網の目をくぐっていると指摘した。

 これと関連し、制裁委専門家パネルで活動したステファニー・クラインアルブラント氏は「38ノース」とのインタビューで、同日の制裁委報告書の核心内容として国際金融システムに対する北朝鮮のサイバー攻撃能力を挙げた。また、北朝鮮がサイバー攻撃に力を入れている理由について、「ノートパソコンとインターネット接続があれば可能な、低リスク高収益だからだ」と述べた。

 制裁委はこのほか、北朝鮮が海上で船舶間の瀬取りを通じて精製油や石炭の密売を続けていると指摘した。北朝鮮は今年1~4月まで国連制裁の年間許容限度の50万バレルを超過した精製油を瀬取りしたと、米国が制裁委に報告した。制裁委はまた、北朝鮮が今年に入って4月まで、少なくとも127回にわたって93万トンの石炭を輸出したとし、港湾寄港を避けるため、バージ船に積み替えする事例を「新しい制裁回避手法」として紹介した。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/908712.html韓国語原文入力:2019-09-06 21:05
訳H.J

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