米国務省は9日(現地時間)、北朝鮮の非核化の最終目標点は大量破壊兵器(WMD)の完全な除去だとし、核兵器の「凍結」はその始まりに過ぎないと強調した。
モーガン・オルタガス国務省報道官は同日の記者会見で、「北朝鮮の非核化に関する米国の最終目的地は何か」という質問に対し、「(目標は)何も変わっていないと思う」としたうえで、「我々は確かに北朝鮮で大量破壊兵器の完全な除去が見られることを望む」と述べた。オルタガス報道官はさらに、「凍結は決してプロセスの解決や終りにはなりえない」とし、「それは確かに私たちが始まり(beginning)で見たいもの」だと述べた。「米政府は凍結を最終目標に特定したことがない。それはプロセスの始まりになるだろう」と改めて強調した。
この発言は、最近ドナルド・トランプ政権が北朝鮮の「完全な非核化」を放棄し「核の凍結」で満足しようとしているとの見通しが一部で示されることに対して、明確に線を引いたものだ。ニューヨークタイムズ紙は先月30日付で、「米政府が核凍結に焦点を合わせた交渉案を準備している」と報道し、このような混乱を巻き起こした。当時スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表は「単なる推測」だと否定した。ビーガン代表は先月末に記者団に、大量破壊兵器の凍結▽非核化エンド・ステート(最終状態)の定義▽ロードマップなど三つと関連し、北朝鮮と包括的に合意しなければならないと述べ、凍結はロードマップの“入り口”に過ぎないという点を明確にした。
オルタガス報道官は8日から11日まで欧州を訪問中のビーガン代表の日程と関連し、「北朝鮮高官らと会う計画はない」と再確認した。ビーガン代表とイ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長は11日、ドイツのベルリンで、今月中旬に予想される朝米実務交渉の事前調整に乗り出す。
一方、オルタガス報道官は先月30日、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の板門店(パンムンジョム)会合を、「首脳会談でも、交渉でもなく、両指導者の面会だった」と述べた。米政府がこれを「3回目の朝米首脳会談」と規定しないという意味だ。
国務省はまた、デビッド・スティルウェル東アジア・太平洋担当新任次官補が10~21日に韓国や日本、フィリピン、タイなどアジア4カ国を訪問すると発表した。スティルウェル次官補の赴任後初の海外出張であり、“顔合わせ”の側面が強い。
スティルウェル次官補は17日、ソウルで大統領府・外交部関係者に会い、韓米同盟の強化とインド太平洋地域における韓米協力の増進案を議論する予定だと国務省は伝えた。11~14日には東京で日本の外務省・防衛省・国家安全保障省の高官たちに面会する。また、彼は15~16日、ランダル・シュライバー国防部インド太平洋安保担当次官補と共にマニラを訪問し、18~19日にはバンコクでタイの外交部と首相室高官らと会う予定だと、国務省は明らかにした。