本文に移動

ビーガン代表「北朝鮮に人道支援や連絡事務所を提供することも考えられる」

登録:2019-07-04 05:49 修正:2019-07-04 07:40
30日、帰国する専用機でオフレコのブリーフィング 
「対北朝鮮制裁は非核化まで維持するものの、他のものは提供できる」 
先月言及した「柔軟なアプローチ」をより具体化 
「北朝鮮に望むのは核凍結、非核化の概念、ロードマップ」
スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表=ファン・ジュンボム特派員//ハンギョレ新聞社

 米政府は北朝鮮が非核化するまで対北朝鮮制裁は維持する一方、その間に人道支援や外交関係の強化など、他の方法で見返りを提供することも考えられると、スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表が明らかにした。米政府はまた、北朝鮮との非核化交渉が行われる間、すべての北朝鮮核プログラムの完全な凍結を望んでいると、ビーガン代表は述べた。

 米国のインターネットメディア「アクシオス」は、ビーガン代表が先月30日、ドナルド・トランプ大統領の訪韓に随行し帰国するマイク・ポンペオ米国務長官の専用機の中で、報道しないことを前提にした(オフレコの)ブリーフィングでこのように述べたと、2日(現地時間)付で報道した。「アクシオス」はこの専用機には搭乗しておらず、したがって、非報道合意にも参加しなかったとしたうえで、取材内容を報道した。

 同メディアの報道によると、ビーガン代表は「我々が望むのは、大量破壊兵器(WMD)の完全な凍結」だと述べた。核プログラムや弾道ミサイルなど、大量破壊兵器などの「生産を中断」を求めるものだ。またビーガン代表は、米政府が凍結と非核化の最終状態の概念(の提示)を望んでおり、その中で北朝鮮が核兵器を放棄する道へと進むロードマップについて協議することを望んでいると明らかにした。

 ビーガン代表は、北朝鮮が核兵器計画を凍結するからといって、直ちに米政府が制裁を解除するわけではないと強調した。しかし、対話が進められている間、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に提供するものがあるとし、「人道支援や人的対話の拡大、相手国の首都への外交チャンネルの設置」について言及した。ビーガン代表は「北朝鮮が我々に核兵器20個を差し出したとしよう。我々はそれで何を得たのか?」としたうえで、「私は(見返りの案を持って)国務長官に行くだろうし、長官は大統領に行くだろう。そして大統領はそれを考慮するだろう」と述べた。北朝鮮が核計画を完全に凍結し、朝米対話を進めながら非核化措置を履行していけば、その間、人道支援や相互連絡事務所の設置といった外交関係の強化措置を取ることができるということだ。

 こうした発言は、先月公に言及した「柔軟なアプローチ」をより具体化したものと言える。ビーガン代表は「我々は非核化前に制裁を解除することに何の関心も持っていない」としながらも、非核化という目標に向かって米国が“ギブ・アンド・テイク”の可能性を残している点を強調した。

 米国が対北朝鮮交渉で、すべての核計画の凍結▽非核化の概念▽ロードマップを北朝鮮に求めている点も、ビーガン代表の発言により体系的に示された。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/900272.html韓国語原文入力:2019-07-03 19:45
訳H.J

関連記事