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日本の専門家も日本の報復措置は「WTO協定違反の恐れある」

登録:2019-07-04 08:14 修正:2019-07-04 11:47
福永教授「申請しても輸出許可が出ず 
輸出が実際に制限される場合は違反の可能性も」 
主要新聞の社説で「報復撤回すべき」、「互いが不幸になる」 
日本の安倍晋三首相が今月3日、日本記者クラブで開かれた与野7党党首討論会の途中で水を飲んでいる。安倍首相は同日、韓国に対する輸出規制の正当性を主張するなど、経済と通商政策全般に対する構想を明らかにした=東京/AFP・聯合ニュース

 日本政府の韓国に対する半導体素材の輸出規制について、日本国内の専門家でさえ「世界貿易機関(WTO)協定違反の恐れがある」と指摘した。安倍政権の事実上の報復措置を真っ向から批判する日本メディアの社説なども相次いでいる。

 国際法専門家である早稲田大学の福永有夏教授は、3日付の日本経済新聞に掲載されたインタビューで、「WTO協定の基本原則の一つは、ある加盟国への最も有利な措置は他のすべての加盟国にも与えなければならないという最恵国待遇(MFN)」だと説明した。福永教授はさらに、「他の加盟国への輸出は簡略な手続きで済むのに、韓国に煩雑な手続きを求めれば、MFN原則違反とみなされる可能性は否定できない」と指摘した。

 彼女は「貿易制限は安全保障上、必要であれば例外措置として正当化される(21条)。日本は『安保上の例外』として正当化されると考えているようだ。ただ、21条は安保を名目にした措置を自由にとれる『フリーハンド』を与えるものではない」と反論した。ただし、「現時点でWTO協定に違反する、あるいは21条の例外措置として正当化されないとは断定できないが、極めてグレーだ」としながらも、「しかし、政策実現のために貿易措置を利用するということは、日本がこれまで標榜してきた『公正かつ無差別な貿易』や『多角主義』の精神に相いれない」と指摘した。

 日本のマスコミも社説などを通じて今回の措置を強く批判した。朝日新聞は3日付の「『報復』を即時撤回せよ」という題名の社説で、「大阪でのG20会議で議長だった日本は『自由で公平かつ無差別な貿易』を宣言にまとめた」としたうえで、「それから2日後の発表は、多国間合意を軽んじる身勝手な姿をさらしてしまった」として、二重的態度を批判した。

 東京新聞も同日の「互いが不幸になる」と題した社説で、「もはや両国の経済は相互に依存関係にあり、自由貿易の原理で動いている」としたうえで、「対抗措置はその原理に反する」と指摘した。また「今後、『脱日本』が進めば、逆効果になる」と懸念を示した。同紙は「尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題のとき、中国はレアアース(希土類)の輸出制限をかけたが、日本側はその行動をなじったのではなかったか」としたうえで、「相手の急所を突く輸出制限でも、政治的・外交的な問題を解決する特効薬になるとは限らない」と書いた。

 ウォールストリート・ジャーナル紙も2日付で、日本の韓国に対する半導体素材の輸出規制決定について、「安倍政権は、表では自由貿易の信奉者を名乗りながらも、トランプの通商戦術を採用している」と批判した。慶応大学の渡邊頼純名誉教授(貿易政策)は同紙で、「今回の規制は、韓国だけでなく、日本にも被害を与え、日本に対する国際的評価にも影響するだろう」とし、「自由貿易は自転車と同じで、止まれば倒れる」と警告した。同紙は、サムスン電子などが半導体生産に支障をきたす場合、アップルのアイフォン、さらにアップルに部品を供給する日本メーカーにも、連鎖的な影響が及ぶものと予想した。電子部品供給企業の「フュージョン・ワールドワイド」のトーベイ・ゴナマン副社長は「(日本政府の決定による)勝者はいない」とし、「規制という警告弾を発射するなら、反作用を予想して置かなければならない」と強調した。

東京/チョ・ギウォン特派員、チョ・ゲワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/900394.html韓国語原文入力:2019-07-03 19:42
訳H.J

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