米国と日本が、日本に対するサイバー攻撃が米国の日本に対する防衛義務を定めた日米安保条約5条の適用対象になるという解釈を初めて明らかにした。
日米は19日、ワシントンで外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2会議)を開き、このような内容を柱にした安保協力委員会共同文書を発表した。両国は共同発表で、「一定の場合には、サイバー攻撃が日米安保条約5条の規定の適用上、武力攻撃を構成し得ることを確認する」と明記した。日米安保条約5条の適用対象に、「サイバー攻撃」も含まれるという解釈が明記されたのは、今回が初めてだ。両国はさらに、どのようなサイバー攻撃に5条が適用されるかについては「日米間の緊密な協議を通じて個別具体的に判断される」とつけ加えた。
両国はまた、北朝鮮の核とミサイル問題については、「国連安保理決議に従い、完全かつ検証可能で不可逆的な方法による北朝鮮のすべての大量破壊兵器、弾道ミサイルと関連計画および施設の廃棄に向けた国際社会で現在進行中のコミットメントの重要性を改めて表明する」と確認した。2017年の2プラス2の共同文書には、北朝鮮に対して「脅威」という言葉を使ったが、朝米対話が続いた状況を考慮したためか、今年はこの言葉が使われなかった。
今回の会合ではまた「東シナ海および南シナ海における現状を変えようとする威圧的で一方的な試みに関し、深刻な懸念と強い反対の意思を表明する」とも明記した。中国を明示したわけではないが、日米同盟の存在理由が中国牽制にあることを改めて確認したのだ。また、共同文書では初めて「自由で開かれたインド太平洋」が(両国の)共通のビジョンだと宣言した。
共同発表にはそのほか、「いかなる場合であれ、日米同盟の技術的優位を我々の敵対勢力から守るべきだ」という内容も盛り込まれている。朝日新聞は5世代(5G)移動通信技術を念頭に置いた部分だと分析した。米国議会は昨年、米国政府機関が華為技術(ファーウェイ)など中国5社製品を使用することを禁止する「2019会計年度国防授権法案」を議決した。米国は、これまで主要同盟国における5世代移動通信網の構築過程で、機密流出の危険性を理由に、ファーウェイの機器を排除することを要求してきた。現在、米国のこの要求に応じた主要同盟国は日本とオーストラリアだけだ。