登録 : 2015.11.19 00:07 修正 : 2015.11.19 08:22

2015年ハンギョレ・釜山シンポジウム 
東アジアの軋轢はどう解決すべきか

2015ハンギョレ・釜山シンポジウムが18日、釜山海雲台のAPECヌリマルで開幕し、第1セッション参加者たちが「米日新同盟強化の動きと東アジアの選択」という主題で討論している =釜山/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 今年11回目を迎えたハンギョレ・釜山シンポジウムの主題は、「米日新同盟時代の朝鮮半島の平和」だ。 米日新同盟時代とは何か。 キム・ジュンヒョン韓東大教授(国際地域学)によれば、東アジアの3重パラドックスが作用して現れた一つの流れだ。キム教授はこの日、「東アジアの3重パラドックスとその克服をめざして」という主題演説で、この3重パラドックスを、私たちが直面した現時代の情勢と規定している。 パラドックスはよく逆説と直訳されるが、ここでは協力と軋轢の二重的矛盾状況をいう。キム教授によれば、朝鮮半島は今、米中間の軋轢と協力の二重的関係から来るグローバルな次元▽中日、韓日間の歴史問題と領有権を巡る対立から来る経済協力と外交安保の葛藤という地域次元、そして▽南北協力と対決という朝鮮半島次元での3個のパラドックスが重なっているということだ。そして、これらの「パラドックスは互いに重なって有機的に連結されていて、相互シナジーと逆シナジー効果を招く」。 このような認識によれば、米日新同盟時代とは中国と米国の関係が地域的次元で中日間の対決と重なって形成されたことになう。 故に彼はこの3重構造の中で中国と米国がどのような関係を設定するかが21世紀朝鮮半島および北東アジアの未来を左右すると考えた。

 ウォン・ドンウク東亜大教授(中国学)は「中国の台頭と韓米日同盟」という発表で、この米中間のパラドックスが一層悪化する恐れがあるとした。 米中関係は「巨視的次元で相互協力の必要性は共有されている。 しかし地政学的要衝地および戦略的拠点を巡る具体的事案と関連しては依然として相互競争および対立が存在するのみならず、一層激化する傾向にある」ということだ。 ウォン教授は「米国は日本に対する外注(outsourcing policy)を通じてアジアを管理し、韓日間の和解を仲裁して韓米日同盟ネットワークを完成さえ中国牽制の効率性を高めようと考えている」と述べた。もちろん日本も受動的存在にとどまらない。 安倍政権は米国のこのような中国牽制のアジア再均衡戦略を自身の政策方向と国家的目標に合わせて積極的に活用している。 「日本は東アジアの強者的地位を回復するために北朝鮮の核脅威を口実にし、さらに尖閣(中国銘 釣魚島)を巡る対決で米日新同盟に寄り添い軍事力の拡張を通じて中国に対する圧迫を試みている」

■東アジアの平和のために何をすべきか

趙啓正・中国人民外交学会顧問 //ハンギョレ新聞社
 それではこの米日新同盟時代に東アジアの平和のために東アジアは何をすべきなのか。これが趙啓正・中国人民外交学会顧問による冒頭の基調演説の主題だった。 趙氏は中国の代表的政治機構である人民政治協商会議外事委員会主任などを歴任した。 趙氏は東アジアの平和を脅かす憂慮すべき事態は三つあり、全て日本に関連していると指摘した。 第一は米日防衛協力指針(ガイドライン)の改定だ。 趙氏はこれが「緊張と衝突を高める新たな要素になっている」と主張する。 第二は安倍首相の終戦70周年「8.14談話」で、この談話は侵略の歴史との断絶から後退したものとした。 最後に東アジアの平和を威嚇するのは、安倍政権の安保関連法案の国会通過だ。

 趙氏によれば、東アジアの平和を脅かしているこのような事態は「米国が戦略的意図をもって日本の右翼勢力を擁護し称揚した結果」とした上でこう批判した。「米国と日本が中国を制裁しようとする意図は、典型的な冷戦時代的思考でありゼロサムゲームに他ならない。 人類は21世紀に生きているが思考はまだ20世紀に留まっている」。それでは何をなすべきか。趙氏は具体的には提示しなかった。 ただし総論的原則的観点から、韓中日間で領土歴史問題をはじめとする非伝統的安保脅威に対処するための平和と安全の体制構築と共に、世界経済が調整期を迎えている沈滞危機状況で韓中日による新しい経済協力体制の構築が重要だと指摘した。

 そうした点で「東アジアの平和のために東アジアがすべきこと」という質問に対する答は、日本の平和運動の中に求めなければならないだろう。

 「安倍政権が進んでいる方向と日本の平和運動」を発表した福山真劫代表によれば、安倍首相は「戦後体制からの脱皮」、「戦争できる国家・軍事大国」に向かって暴走している。 福山氏によれば「戦後体制からの脱皮」とは、既存の歴史認識の改悪と日本国憲法体制からの脱皮ということだ。 福山氏は安倍政権が極右勢力に立脚していると言う。 「安倍自公政権は首相補佐官まで含めて25人の閣僚のうち22人が『神道政治連盟』に、また16人は『日本会議国会議員懇談会』に所属している。 彼らは既存歴史認識の改悪、閣僚の神社公式参拝、憲法9条の改悪を狙う極右勢力だ」

福山「フォーラム 平和・人権・環境」代表
「日本の安保法制反対組織 拡大
東アジアの平和確立のため
韓日の民主勢力連携が必須」

■統一行動に結集している日本の平和運動

 しかし今、日本ではまさにその安倍政権により新しい変化が起きている。 「9月19日未明、日本の国会で強行通過された戦争法は、安倍自公政権に対抗して日本の平和・民主主義の確立に対する明確な希望と可能性を作り出した」ということだ。福山氏は「この戦争法案廃棄運動は、1960年の日米安保条約反対運動に肉迫する大きな闘争を作り出すことができた」と述べた。 「総がかり行動実行委員会」がその主体だ。

 この組織は「2014年12月15日、戦争をさせない1000人委員会、解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会、戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センターの3団体が中心となって発足」した。 福山氏は「安倍自公政権の暴走が深刻化し時代危機意識を共有する非共産党系、共産党系、中立系の運動団体の統一された行動」を引き出したと評価した。 この実行委員会は「憲法理念実現、憲法違反の閣議決定撤回、米日安保指針・戦争関連法案改定阻止、政策転換および退陣」を目標に活動を始め、5.3憲法記念日集会、そして8.30国会10万人、全国100万人行動につながり、組織を一層拡大して既存19団体以外に、9の支持団体に拡大した。 彼は「この運動が日本弁護士連合会、学者の集い、自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs=Students Emergency Action for Liberal Democracys)、母親たちの集いなど全国的に多様な階層が参加する自律的な運動として発展した」と強調した。

 福山氏によれば、安倍政権は今戦争法案廃棄という平和運動の要求に直面しているだけでなく、沖縄辺野古の新基地建設反対▽原発再稼働反対▽人間の安全保障確立および非正規労働者40%、年間所得200万円以下労働者1200万人の生活改善要求▽TPP(環太平洋経済パートナーシップ協定)反対▽消費税引き上げ反対、など激しい抵抗と大衆的要求に直面している。 そして来年4月に韓国で総選挙が予定されているように、7月には日本も参議院選挙を迎える。 日本の平和運動はこのような当面の課題に焦点を合わせて展開するだろうし参議院選挙での勝利を目標に動いている。

福山真劫「フォーラム平和・人権 ・環境」共同代表 //ハンギョレ新聞社

■日本の「総がかり行動実行委員会」と韓日平和連帯

 安倍政権に対抗して平和運動を主導する「総がかり行動実行委員会」は、2016年を見通して具体的行動計画を立てた。 それは「東アジアの平和のために」日本が何をするのかを示すことだ。 まず戦争法が通過した19日に合わせて、その廃止を行動により掲げて毎月“19日”行動集会を開く。 また、2000万人を目標にした署名運動を通じて委員会の存在意義を誇示し、有権者の過半数の参加を目標にする。 沖縄辺野古米軍基地建設阻止闘争を全国的な大規模集会に拡大し、来年5月3日の憲法記念日集会を今年の成果を基に大々的に開催する。 そしてこのような流れの上で、民主・社民・共産党および生活の党など野党の統一された対応で来年夏の参議院選挙を行うということだ。

 2012年の衆議院選挙は民主党の惨敗だった。 自民党と公明党は衆議院議席数の3分の2を獲得し安倍自公連立政権を誕生させた。 そして2013年の参議院選挙、2014年の衆議院選挙で彼らは続けざまに勝利した。 しかし、2014年の衆議院選挙で自民党支持の絶対得票率は16.99%に過ぎなかった。 それでも自民党は290議席を取得した。これには野党の分裂と小選挙区比例代表併用制など日本の選挙制度の問題が存在する。 いずれにしても2016年4月の韓国総選挙と夏の日本の参議院選挙、そして11月の米大統領選挙など、2016年に韓国、日本、米国は重要な政治的激変の時を迎えるだろう。 福山氏は最後にこの日の発表をこのように締めくくった。「東アジアの平和を確立するためには、韓日の平和・民主主義勢力の連携が必須だ。 対応を強化しなければならない」

釜山/カン・テホ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-18 15:02
http://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/718052.html 訳J.S(3757字)

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