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米国の北朝鮮専門家カーリン氏「トランプはボルトンではなく自分の本能を信じるべき」

登録:2019-04-06 06:24 修正:2019-04-06 07:17
米国務省・CIA出身の北朝鮮専門家、LAタイムズへの寄稿で 
「ハノイで突然『リビアモデル』が再登場… 
ボルトンが過去に主張し、米朝枠組み合意を破った方法」 
「外交を放棄すればさらに強く核武装した北朝鮮もたらすだけ… 
来週の韓米首脳会談で『ゼロか100か』を手放すべき」
ロバート・カーリン米スタンフォード大学国際安保協力センター客員研究員//ハンギョレ新聞社

 11日(現地時間)にワシントンで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談が予定された中、トランプ大統領が北朝鮮核問題の解決策から「リビアモデル」を放棄し、実現可能な方式を選ばなければならないという主張が出た。

 米国務省と中央情報局(CIA)で、北朝鮮情報を分析したロバート・カーリン米スタンフォード大学国際安保協力センター客員研究員は4日、「ロサンゼルス・タイムズ」に「北朝鮮に関してトランプはジョン・ボルトン(ホワイトハウス国家安保補佐官)ではなく、自分の本能を信じるべき」という題名の文を寄稿した。

 カーリン氏は2月末、ベトナムのハノイで開かれた第2回朝米首脳会談が物別れに終わる直前、トランプ大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に渡したという文書を「部分的に、リビアモデルの二番煎じ」だと批判した。最近の、ロイター通信の報道内容によると、いわゆる「ビッグ・ディール文書」と呼ばれた同文書で、米国は北朝鮮に核兵器と物質の米国へを移転を含む広範囲な非核化概念を提示したという。

 カーリン氏は「トランプ大統領は昨年、シンガポールではボルトンの『ゼロか100か』方式のリビアモデルを押しのけ、実現可能なアプローチを取った」とし、「ハノイでそのアプローチを続ければ良かったのに、突然リビアモデルが再登場した」と記した。

 カーリン氏は、「リビアモデル」はボルトン補佐官がブッシュ政府時代にも提案し、結局北朝鮮が凍結してきたプルトニウムプログラムを再稼動させたアプローチだと指摘した。彼は、1994年に結ばれた朝米枠組み合意がボルトン補佐官の主導で2002年に破棄された前例に言及し、「北朝鮮にとって、これ(リビアモデル)は本当に外交ではなく、単なる降伏要求」だとし、「このような戦術は北朝鮮に通じないということを、私たちはすでに知っている」と主張した。

 カーリン氏はまた、リビアモデルは「ある国家が核放棄を決定したというのは、すべてを廃棄・搬出する準備ができているという意味であり、逆に、核廃棄・搬出しない限りは、核放棄の決定していないこと」だと仮定する「循環論法」だと指摘した。

 カーリン氏は、「『ビッグ・ディールでなければ何もない』という古い旗のもと、再び外交を放棄することは、さらに多くの核兵器で武装した北朝鮮というたった一つの結果を生む」と警告した。

 彼は寧辺(ヨンビョン)の核施設の廃棄と制裁緩和の交換を望んだ北朝鮮の提案も、「曖昧で、米国が受け入れられないもの」だとしながらも、「しかし、ボルトンが提案した文書は交渉過程を打ち砕くためのハンマーだった」と指摘した。カーリン氏は「さらに悪いのは、これが失敗した場合に実現可能なプランBはなく、圧迫の効能に対するほとんど宗教に近い信頼だけだ」と皮肉った。

 カーリン氏は「来週、文在寅大統領がワシントンを訪問した際、両首脳が金委員長を相手にする実用的な経験を活用し、『ゼロか100か』のアプローチを手放すことができれば、北朝鮮との交渉で牽引力を取り戻す機会になるだろう」とアドバイスした。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/888851.html韓国語原文入力:2019-04-05 08:33
訳H.J

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