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米中貿易交渉の渦中に金正恩を呼んだ習近平、なぜ?

登録:2019-01-08 22:00 修正:2019-01-09 07:32
朝米首脳会談に先立って朝中首脳会談 
“規則”作り対北朝鮮影響力を誇示 
米国への協力の重要性を強調
北朝鮮の金正恩国務委員長が7日午後、平壌から中国に発つ前に金永南最高人民会議常任委員長と握手する様子を朝鮮中央テレビが8日に放送した/朝鮮中央テレビ 聯合ニュース

 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の4回目の訪中は、7~8日北京で米中貿易交渉が進行されている中でなされた。米中貿易戦争の渦中に、2回目の朝米首脳会談を控えた金委員長を「招請して」、朝中首脳会談を開催した習近平中国国家主席の戦略は何か。

 まず、朝米首脳会談を控えて朝鮮半島における中国の影響力を確認する意図を挙げることができる。北朝鮮が米国との首脳会談など主要な決断を控えるたびに、中国の“保証”を受けた後に動くという“規則”を作り出すことによって、中国が影響力を確かめているということだ。

 キム・フンギュ亜洲大学中国政策研究所長は「中国は、朝米首脳会談で米国が北朝鮮を引き込んで中国を牽制する憂慮など“チャイナ・パス”の可能性を払拭し、朝鮮半島に対する影響力を再確認した」として、北朝鮮が非核化に向かって果敢に動けるよう中国が経済的支援と万一の場合の軍事的支援も提供することができるという“保証”をしていると見通した。

 ただし、現在としては北朝鮮が最も望む制裁解除問題と関連して、中国が直ちに積極的に動く可能性は高くないと専門家らは見ている。キム・ハングォン国立外交院教授は「貿易交渉がちょうど再開された状況で、中国が米中葛藤を再び高める素地のある対北朝鮮制裁緩和・解除を積極的に推進する可能性は低い」とし、「対北朝鮮経済支援も、制裁違反の素地が少ない人道主義的分野などに限定して進めるだろう」と話した。

 貿易戦争の渦中に、中国が北朝鮮非核化に関する協力を米中の協力空間にしていく流れも明確になっている。イ・ナムジュ聖公会大学教授は「米国は、朝中が密着して対北朝鮮圧迫強度が弱まれば、北朝鮮が非核化に消極的になるという不満も持っているが、中国は『圧迫だけ強化して北朝鮮が非核化から離脱すれば米国にも有利でない』という論理で説得してきた」と話した。

 最近、米国が中国の役割に肯定的信号を送り始めたのも、こうした変化を示している。マイク・ポンペオ米国務長官は7日(現地時間)、CNBC放送とのインタビューで「中国は北朝鮮の核能力が全世界に及ぼすリスクを減らそうとする努力で一貫して良いパートナーであった」と述べた。

 朝中国交樹立70周年の今年、中国が朝中関係を積極的に管理するという意図も伺える。金正恩委員長が新年の辞で、中国の参加を事実上公式化した「平和体制転換多国間交渉」を提案したことは、朝中共助の余地を広げた。習近平主席が答礼訪問をしていない状態で、金委員長だけが4回訪中した状況は異例という点で、朝中国交樹立70周年記念日の10月6日前後に予想される習主席の訪朝が、上半期に前倒しされうるという観測も出ている。ただし、中国は米中、朝米関係と北朝鮮の非核化状況を点検して習主席の訪朝時点を選択すると見られる。

パク・ミンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/877534.html韓国語原文入力:2019-01-08 20:15
訳J.S

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