ドナルド・トランプ米大統領が9日(現地時間)、第2回朝米首脳会談は「(11月6日の)中間選挙以降になるだろう」とし、「場所は3~4カ所を検討している」と明らかにした。今年11月の第2回朝米首脳会談を経て、年内の終戦宣言と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のソウル訪問につながるかどうかに注目が集まっている。
トランプ大統領は中間選挙支援遊説のためアイオワ州に移動する飛行機の中で、記者団に「それ(2回目の朝米首脳会談)は中間選挙の後になるだろう。今は(ワシントンを)離れることはできない」と述べたと、ロイター通信などが報じた。首脳会談を準備するには、中間選挙のキャンペーン日程が忙しすぎるということだ。彼は最近1週間に4日ほど選挙支援遊説を行っている。
これで、10月に第2回朝米首脳会談が開かれる可能性は消えた。しかし、トランプ大統領が同日、「(会談時期は)それほど遠くないものになるだろう」と述べた点と、彼の海外訪問の日程を考えると、協議が順調に進んだ場合、両首脳の「核談判」が11月の中・下旬に開かれることも考えられる。彼は11月11日に第一次世界大戦終戦100周年記念式に出席するため、フランスを訪問し、同月30日にはG20首脳会議が開かれるアルゼンチンを訪れる予定だ。その間に朝米首脳会談を開く可能性もあり、たとえば欧州で朝米首脳会談をするならフランス訪問の日程とつなげることもできる。
米国務省のヘザー・ナウアート報道官は同日のブリーフィングで、「シンガポール首脳会談でもそうだったように、(準備に)時間がかかる。この規模の首脳会談を行うには関連する細部事項が多い」とし、「金委員長やトランプ大統領、もしかしたらジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)の予定も合わせなければならないかもしれない」と述べた。
場所は米国や北朝鮮、第3国になる可能性がいずれも残っている。トランプ大統領は同日午前、「(1回目の会談場所の)シンガポールは素晴らしかった。しかし、別の場所で行う予定」だとし、「3~4カ所に絞って話し合っている」と明らかにした。彼は「今は(ワシントンを)離れられない」と述べたことから、少なくともワシントンではない場所を念頭に置いている可能性がある。彼は自分のリゾート地であるマールアラーゴに金委員長を招待するかという質問に対し、「彼にも私にも嬉しいかもしれないが、もう少し待ってみよう」と答えた。
平壌開催の可能性も注目される。北朝鮮の官僚たちはマイク・ポンペオ米国務長官が7日に訪朝した際、米国の随行団に「平壌に来て首脳会談を行ってほしい」という意向を伝えた。トランプ大統領は9日、「米国で開くことは可能か」という質問に「最終的に我々は、米国の領土と彼ら(北朝鮮)の領土で多くの会談を行うことになるだろう。双方向の道だから、彼らの領土でも同じだ」と答えた。2回目の首脳会談を平壌で行わなくても、関係改善によって長期的に「シャトル外交」を展開する可能性について言及したものとみられる。
しかし、米国本土や北朝鮮での開催は、互いに政治的負担が大きいため、第3国で開催される可能性も取りざたされている。 米国は欧州を好んでいるという。スイスのジュネーブやスウェーデンのストックホルム、オーストリアのウィーンなどが候補とされている。北朝鮮が移動の困難を理由に反対した場合、米国のハワイなども選択肢となりうる。ナウアート国務省報道官は「両国が同意できる場所を探さなければならない」とし、(シンガポールのときのように)5000人の記者団を受け入れる基盤施設も備えた場所を見つけなければならない」と述べた。
もちろん時間と場所の他にも、交渉内容に対する調整が不可欠だ。すなわち「寧辺の核施設の廃棄など、北朝鮮の非核化措置」と「終戦宣言や制裁緩和など米国の相応措置」に関する“ビッグディール”が先に行われるべきだ。ポンペオ長官は9日、「まだまだ先が遠く、やるべきことも多いが、最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)という究極的な目標に向けた道筋が見えている」として、楽観的な立場を改めて示した。一方、ナウアート報道官は、北朝鮮が豊渓里(プンゲリ)核実験場に査察団を招待したことをめぐり「すでに廃棄された施設ではないか」という質問に対し、「記者団に見せることと、査察団を招待して確認させることは全く違う」と反論した。