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“平和の象徴”教皇が平壌訪問「朝鮮半島の平和」国際支持取り付けも

登録:2018-10-09 22:31 修正:2018-10-10 07:50
訪朝自体が南北和解の刻印効果 
首脳会談同行キム・ヒジュン大主教 
「南北和解を教皇庁に知らせる」 
白頭山で金委員長に話すと 
「必ず伝えてください」肯定的回答
フランチスコ教皇=資料写真//ハンギョレ新聞社

 「訪問されれば熱烈歓迎する」という金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長のフランチスコ教皇招請発言は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の提案を受け入れて出てきた。文大統領の教皇訪朝招請提案には、“平和”と“安定”という朝鮮半島の新しい秩序を“平和と和解”の象徴である教皇を通じて承認を受け、北朝鮮を名実共に国際社会の一員として案内する意志が込められているとみられる。

 文大統領は先月18~20日に開かれた平壌南北首脳会談中に、金委員長に対して自分から教皇訪朝招請提案を持ち出したという。大統領府関係者は9日「両首脳が何回も食事も共にして、事実上2泊3日ずっと話を交わした」として「文大統領が平壌首脳会談が国際的支持を得なければならないという必要性を話し、その方法の一つとして提案したと見られる」と話した。フランチスコ教皇は、4・27南北首脳会談の二日後に「南北指導者の勇気ある決断を支持する」と述べ、6月の朝米首脳会談直前にも「朝鮮半島と世界の平和な未来を保障するよう願う」と話すなど機会があるたびに朝鮮半島の平和に対する祈祷を要請してきた。

 金委員長は平壌首脳会談の最終日である20日、白頭山(ペクトゥサン)の天池でも特別随行員として北朝鮮を訪問したキム・ヒジュン天主教大主教に「教皇に南北の和解努力を伝えてほしい」と頼んだ。キム・ウィギョム大統領府報道官はブリーフィングで「キム大主教が『金正恩委員長はスイスで留学も永くしたので、観光の重要性をよく理解しているだろう。北朝鮮の自然景観が秀麗なので、スイスでの経験を生かして観光事業をすれば繁盛するだろう』と話し、これに対して金委員長が笑顔で首を縦に振った」として「その延長線でキム大主教が『南北が和解平和の方向に進んでいるということを教皇庁にも知らせる」と言うと、金委員長が腰を軽く曲げて『必ず伝えてください』と話した」と伝えた。キム大主教は、ハンギョレとの通話で「先週、教皇庁でフランチスコ教皇に会い、南北関係に関して申し上げた。招請すれば教皇様が行くと思う」として「南北が分断の象徴である非武装地帯を世界生態平和公園のような平和の象徴に指定して、世界的な行事を用意して、そのような機会に米国、中国、ロシア、日本などの指導者と共に教皇様も招いてくれたら良いと思う」と話した。教皇の訪朝は、2000年6月の初の南北首脳会談の時、金大中大統領が提案して金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が受諾したが、実現しなかった。

 文大統領は教皇訪朝という“事件”を通じて、本軌道に乗った朝鮮半島の新しい秩序を後戻りできないようにし、国際社会の支持と承認を得るという意を持ったと見られる。教皇の訪朝が実現すれば、年内の終戦宣言と平和協定締結はもちろん、北東アジアの冷戦構図を終わらせ、北東アジア多者平和安保体制構築という文大統領の朝鮮半島平和構想にも弾みがつくと見られる。文大統領は先月、ニューヨークの国連総会演説で「金委員長の非核化の決断が正しい判断であることを確認しなければならない」として「今度は国際社会がうなずく番」と強調した。キム報道官は「文大統領が法王庁を公式訪問して、朝鮮半島の平和安定のための祝福と支持を再確認し、協力方案を議論するだろう」と話した。

ソン・ヨンチョル、ノ・ジウォン記者、チョ・ヒョン宗教専門記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/865138.html韓国語原文入力:2018-10-09 19:36
訳J.S

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