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“完全破壊”→“大胆な平和”…1年で180度変わったトランプの国連演説

登録:2018-09-26 20:47 修正:2018-09-27 07:01
トランプ大統領、国連総会演説で 
「金正恩委員長の勇気と措置に感謝… 
制裁は非核化されるまで維持」 
 
1年前の国連演説では 
「ロケットマン…自滅任務を遂行している 
完全破壊するしかない」
ドナルド・トランプ米統領が25日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で開かれた国連総会で演説している=ニューヨーク/AP聯合ニュース

 ドナルド・トランプ大統領は25日(現地時間)、国連総会演説で「金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の勇気と彼が取った措置に対して感謝する」と述べた。1年前の昨年9月の国連総会演説では、金委員長を「ロケットマン」と呼び「(北朝鮮を)完全に破壊」と言及したことから180度変わった態度だ。

 トランプ大統領はこの日、ニューヨークの国連本部での演説序盤に「トランプ行政府は2年も経たずに多くの前任政府より多くのことを成し遂げた」とし、北朝鮮に関連した内容に言及した。

 トランプ大統領は「私たちは今日ここにいる多くの国の支持の中で、衝突(conflict)の亡霊を大胆で新しい平和の追求に変えるため、北朝鮮と対話してきた」と述べた。彼は「6月、私はシンガポールに行き北朝鮮の指導者、金正恩委員長に直接会った。私たちは、非常に生産的な対話と出会いを持った」として「私たちは、朝鮮半島の非核化を追求することは、両国双方の利益ということに同意した」と話した。

 トランプ大統領は「その出会い以後、私たちは少し前まではほとんど誰も想像できなかった様々な鼓舞的な措置を目撃した」として、北朝鮮のミサイル・核実験中断、軍事施設(ミサイル・核実験場)解体、北朝鮮抑留米国人帰還、朝鮮戦争参戦米軍将兵の遺骸送還に言及した。

 トランプ大統領は続けて「さらに多くのことをこなさなければならないが、金委員長の勇気と彼が取った措置に謝意を表したい」と話した。その一方で「制裁は非核化がなされる時までこのまま維持されるだろう」と強調した。

 トランプ大統領はまた「私は、人々が知っていることより実際にははるかに偉大なこの時点に至るために私たちを助けてくれた多くの国連加盟国にも感謝したい」として「加盟国の重要な支持は、私たち皆が前に進むために引き続き必要だ」と話した。それと共に「特に大韓民国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と日本の安倍晋三首相、中国の習近平国家主席に感謝申し上げる」と話した。

 金正恩委員長に対するこのようなトランプ大統領の発言は、1年前に同じ場所で彼が行なった国連総会演説とは克明な対照をなす。この間の朝米関係の急転を反映するものだ。トランプ大統領は、昨年9月19日の国連総会演説で金委員長を「ロケットマン(rocketman)」と呼び、「自滅任務を行なっている」と猛非難した。また「アメリカと同盟を防御するためならば、私たちは北朝鮮を完全に破壊(totally destroy)すること以外には他の選択はないだろう」と話し、全世界に戦争の危機を高めさせた。当時彼は、国連演説の後にも金委員長を「狂人(mad man)」、「リトル ロケットマン」などの表現で非難した。だが、今年の演説では「サンキュー金正恩」へと正反対に変わった。

 トランプ大統領は、今年の演説の前に国連本部で記者たちと会い「私たちは皆さんが知っている以上に、北朝鮮とはるかに良く付き合っている。金委員長と多くの個人的な書信往来がある」と話した。彼は「マスコミが理解しているものより、はるかに大きな進展を成し遂げている」として、北朝鮮のミサイル・核実験中断などに言及し、「近い未来、より多くのことが起きるだろう」と述べた。彼はまた「私たちは、金正恩委員長と北朝鮮、世界のために良い仕事をするだろう」と話した。

 これに先立ってトランプ大統領は、前日の24日午後、文在寅大統領との首脳会談で「金委員長と極めて近い将来に会おうと思う。場所と時期に関する作業がなされており、発表することになるだろう」とし、2回目の朝米首脳会談の推進を公式化した。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/863375.html韓国語原文入力:2018-09-26 09:36
訳J.S

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