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中間選挙前に“成果”必要なトランプ大統領、金委員長とワシントンで会談するか

登録:2018-09-12 01:37 修正:2018-09-12 07:36
第2回朝米首脳会談をめぐる3つの争点 
場所はトランプ大統領が提示したワシントンが有力 
時期と議題は後続交渉で膠着局面 
突破口となる進展見られるかがカギ 
進展があった場合は11月の中間選挙前に実現する可能性も
北朝鮮の金正恩国務委員長(左)とドナルド・トランプ米大統領が6月12日、シンガポールで会談し、記念撮影を行っている//ハンギョレ新聞社

 ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は10日(現地時間)、第2回朝米首脳会談の日程を「調整している」と明らかにしたことで、「場所」や「日程」、「議題」など会談の実現のために3大条件がどう調整されるかに関心が集まっている。

 この中で最も議論の余地が少ないのは場所だ。ドナルド・トランプ米大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とシンガポールで歴史的な6・12首脳会談を行った後、第2回会談を米国のホワイトハウスで開きたいという意向を明らかにした。トランプ大統領は、金委員長と6・12共同声明に署名した後、「金正恩委員長をホワイトハウスに招待する予定か」という記者団の質問に対し、「もちろん、そうする(Absolutely、I will)」と答えた。

 第1回会談の際は、70年にわたって対立してきた両国首脳が膝をつき合わせる初の会談という歴史的重要性のため、平壌(ピョンヤン)や板門店(パンムンジョム)などが主要候補地として検討されたが、結局、両方にとって“中立地域”のシンガポールが選ばれた。トランプ大統領が電撃的に平壌行きを選択する可能性もあるが、過度な朝米の接近に対する米国主流の拒否反応を考慮すると、その可能性は低いと言える。サンダース報道官は第2回会談の場所について、「さらに具体的な事実があればお知らせする」と述べるにとどまった。

 第二のの争点の「日程」と第三の争点の「議題」は互いに密接にかかわっている。トランプ大統領はこれまで第2回首脳会談の実現可能性を着実に言及してきたが、時期については「何が起こるか見てみよう」と述べるなど、具体的な回答を避けてきた。しかし、下半期の米国の政治日程から重要なヒントを得ることができる。

 トランプ大統領は11月の中間選挙で勝利を収めるため、この2年間で成し遂げた主要な業績を誇示しなければならない状況に置かれている。この時によく言及されるのが北朝鮮をめぐる外交成果だ。トランプ大統領は最近様々な遊説と記者会見で、自分と金委員長の間に信頼が形成されており、北朝鮮が今年に入って核・ミサイル挑発を行っていないだけではなく、朝鮮戦争当時に亡くなった米兵の遺骨を返還したことを主要な功績として掲げている。

 しかし、第2回会談では、新たな朝米関係の樹立▽朝鮮半島における恒久的かつ堅固な平和体制の構築▽朝鮮半島の完全な非核化など、第1回協議の約束と宣言を具体化する成果を出さなければならない。結局、第2回会談の実現と勝敗を決めるカギは「議題」と言わざるを得ない。

 サンダース報道官は、トランプ大統領が第2回首脳会談の提案を受け入れた直接的な理由に、金委員長が送った「非常に暖かく、肯定的な」親書を挙げた。彼女は「親書の主な目的が(トランプ)大統領との再会(第2回首脳会談)を要請し、その日程を決めること」にあったと明らかにした。彼女は、金委員長がそのほかに、対話の継続に対する約束▽第1回首脳会談で成し遂げた進展に向けた努力▽朝鮮半島の非核化のための約束を確認したと公開した。

 現在進行中の朝米交渉は、「北朝鮮内部の核施設の公開」と「終戦宣言」の交換の順序と方式をめぐり、長い膠着状態に陥っている。北朝鮮は朝米間の信頼確保のために終戦宣言を優先視している一方、米国は非核化措置の第一歩として最も重要な段階となる核施設の申告を先に行うべきだと主張している。

 結局、これから先の主な外交日程である18~20日の第3回南北首脳会談や、9月末ニューヨークでの韓米首脳会談、これと並行して進められる朝米協議で、現在の膠着局面を解消できる“明確な進展”が行われた場合、トランプ大統領が11月の中間選挙を控えた10月に第2回首脳会談に臨む可能性もある。第1回会談の際、「会談の取り消し」騒動などを経て、シンガポールが会談場所として最終決定されたのは5月25日だった。当時、朝米の実務チームは19日間で実務準備を終え、6月12日の会談を実現させた。

 しかし、膠着局面が続けば、トランプ大統領が政治的負担を甘受してまで会談を急ぐ理由がなくなる。この場合、トランプ大統領は自分の対北朝鮮外交の成果と対話意志を強調して中間選挙に臨んだ後、もう少し時間をかけて会談の時期を検討するものとみられる。

キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/861579.html韓国語原文入力:2018-09-11 21:20
訳H.J

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