本文に移動

「北朝鮮がポンペオ長官に送った手紙に『非核化交渉瓦解の恐れ』盛り込まれていた」

登録:2018-08-29 06:12 修正:2018-08-29 07:19
CNN、北朝鮮核交渉に詳しい消息筋を引用し 
「米国は平和協定を進展させる準備ができていない 
初期段階の対話崩壊したら  
北朝鮮の核・ミサイル活動再開する可能性も盛り込まれた」 
 
トランプ大統領「中国と貿易関係解決してから  
ポンペオ長官が訪朝するものと期待  
今は中国と対話する時ではない」
ドナルド・トランプ米大統領が今月27日に執務室で、メキシコのエンリケ・ぺニャ・ニエト大統領とスピーカーフォンで電話会談をしている=ワシントン/AP 聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領がマイク・ポンペオ国務長官の4度目の訪朝を取り消したのは、北朝鮮が、非核化交渉が「危うい状態にあり、瓦解の恐れもある」という内容の手紙を送ったためだという報道が出た。

 CNN放送はこの手紙が、24日、ポンペオ長官が新たに任命された北朝鮮担当特使のスティーブン・ビーガン氏と共に北朝鮮を訪問しようと出発する数時間前に届いたと、北朝鮮との交渉に詳しい3人の消息筋を引用して報じた。CNNは同消息筋らが「米国が平和協定の署名を進展させる措置を取ることと関連し、(北朝鮮の)期待を充足させる準備がまだできていないため」、金正恩(キム・ジョンウン)政権はその過程も進展が見られないと思っていると明らかにした。妥協が行われず、初期段階の対話が崩壊すれば、平壌(ピョンヤン)は「核およびミサイル活動」を再開する可能性もあると同消息筋らは伝えた。

 金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長がポンペオ長官に送った手紙の存在は、すでにワシントンポスト紙が27日付で報道した。同紙の外交専門コラムニストのジョシュ・ロギン氏はトランプ大統領がポンペオ長官の4度目の訪朝を発表翌日に急きょ取り消したのは、この「秘密の手紙」のためだったと明らかにした。

 同報道によると、24日午前、ポンペオ長官が金副委員長から届いた手紙をトランプ大統領に見せた。手紙を読んだトランプ大統領とポンペオ長官は、今回の訪朝が成功しないことを確信したと、ロギン氏は話した。彼は手紙の具体的な内容は伝えなかったが、「ポンペオ長官の訪朝を取り消すほど、十分に敵対的だった」と明らかにした。

 この決定を下した会議にはマイク・ペンス副大統領とポンペオ長官、ビーガン北朝鮮政策特別代表、ソン・キム在フィリピン大使など、対北朝鮮政策の核心人物らが出席した。この会議後、トランプ大統領はツイッターで「私は、現時点でポンペオ長官に北朝鮮に行かないように要請した。何故なら、我々が朝鮮半島の非核化と関連し、十分な進展を遂げていないと思っているからだ」とし、「ポンペオ長官は近い将来、おそらく我々と中国の貿易関係が解決された後に、北朝鮮に行くものと期待している」と書き残した。さらに、「中国に対してより強硬になった貿易をめぐる我々の立場のため、中国が以前ほど(北朝鮮の)非核化過程を手助けしていない」として、中国に狙いを定めた。北朝鮮の非核化交渉を中国との貿易問題に結び付けたのだ。

 これと関連し、トランプ大統領は27日「中国と対話する時期ではない」と述べ、米中の貿易戦争と連携させた北朝鮮の非核化交渉の延期事態が長期化することを予告した。彼は同日、メキシコとの貿易交渉が妥結した直後、ホワイトハウスで、メキシコのエンリケ・ぺニャ・ニエト大統領と電話会談した際、中国の話を切り出した。トランプ大統領は「これ(米‐メキシコ貿易交渉)とは関係ないが、我々は他に非常に多くの国々とも交渉している。中国がその一つだ。中国は対話をしたがっているが、率直に言って、今は中国と対話する時期ではない」と述べた。また、「(中国との貿易は)とても長い間、数十年間にわたってあまりに一方的だった。だから話をする適切な時期ではない」と重ねて強調した。

 彼はさらに、「究極的には中国と合意を導き出せると確信している。今現在、我々は中国を相手にうまく戦っている」とし、「米国経済は上昇傾向にある。これほど良好だったことはなく、さらに良くなると思っている」と強調した。米国経済がしっかりしているため、中国との貿易戦争が長期化しても、十分勝てると自信をのぞかせた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、チョン・ウィギル先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/859661.html韓国語原文入力:2018-08-28 21:32
訳H.J

関連記事