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河野外相はシンガポール行き、安倍首相は米国へ…日本、朝米会談を全方向牽制?

登録:2018-05-29 23:10 修正:2018-05-30 07:18
河野、来月シンガポールを訪問しポンペオとの会談推進 
安倍-トランプ、朝米会談の前に米日会談開催で合意 
安倍の政治的動力“拉致・北朝鮮脅威論”が牽制の背景
今年4月、安倍晋三首相(左)とドナルド・トランプ大統領が、米国フロリダ州のマーララーゴ・クラブリゾートで会い握手している。両首脳は朝米首脳会談前の米日首脳会談開催に合意した/AFP 聯合ニュース

 日本の河野太郎外相が、来月初めのシンガポール訪問を推進している。また、安倍晋三首相はドナルド・トランプ米大統領と電話で朝米首脳会談の開催前に米日首脳会談を開くことで合意した。来月12日に予定された朝米首脳会談に先立って、日本の対北朝鮮強硬論を最大限に貫徹しようと努めている。

 共同通信は29日、河野外相が来月8日にマレーシアを訪問した後、9日にはシンガポールを訪問する方向で日程を調整中だと報道した。通信は、河野外相のシンガポール訪問の理由について「朝米首脳会談に備えて河野外相がシンガポールの要人に会い、朝米首脳会談に対する情報を提供してくれるよう要請することが目的」と明らかにした。読売新聞も、来月12日のシンガポール開催が確定すれば、河野外相が滞在期間を延長してドナルド・トランプ米大統領に同行するマイク・ポンペオ国務長官と会談する方案を模索する可能性もあると伝えた。

 安倍首相は28日夜、トランプ大統領と電話通話を通じて朝米首脳会談に先立ち米日首脳会談をすることに合意したと明らかにした。日本政府は、来月8~9日にカナダで開かれる主要7カ国(G7)首脳会議以前にトランプ大統領と会う方案を検討している。安倍首相は、トランプ大統領との電話通話を終えた後「日米は確実に連係するという認識を共有し、共通の方針の下に朝米首脳会談が意味あるものとなるようできるだけ協力するということで一致した」と明らかにした。彼はさらに「今日会った(日本人)拉致被害者の家族に聞いた話と心情をトランプ大統領に伝えた。拉致問題の解決が絶対必要だということが重要だと話した。トランプ大統領が朝米首脳会談で(拉致問題を)扱うと約束した」と話した。ホワイトハウスも報道資料を出して「トランプ大統領と安倍首相が北朝鮮の核、生物化学兵器、弾道ミサイルの完全で永久的な(permanent)解体を達成することの緊急性を確認し共有した」と明らかにした。

 日本政府はこれまで、朝米首脳会談の議題に北朝鮮の人権問題(拉致問題)、生物化学兵器、弾道ミサイルなどを含めなければならないと粘り強く主張してきた。日本のこうした強硬な態度が、朝米首脳会談に少なからぬ妨害要因になってきた。

 日本政府が朝米首脳会談を控えて全方向的に動いているのは、安倍首相が拉致問題と北朝鮮脅威論を通じて主要右翼政治家として成長してきたためだ。安倍首相は、2002年9月の小泉純一郎首相の平壌(ピョンヤン)訪問以後にふくらんだ拉致問題に対して超強硬世論を主導して大きな人気を得、これを背景に1次執権(2006年9月~2007年9月)に成功した。安倍首相は今も拉致問題について「日本外交の最優先課題」という表現を使い重視している。これを表わすかのように、安倍首相は28日のトランプ大統領との電話通話前に拉致被害者の家族と会い、「この問題を必ず解決する」と改めて念を押した。

 もう一つの変数は、9月に行われる自民党総裁選挙だ。現在、安倍首相は(私学)スキャンダル問題が拡大して3選を断言できない状況に追い込まれている。そこで必要なことは、ミサイルを撃ち核実験を繰り返す北朝鮮という“問題児”の存在だ。安倍政権は昨年10月の衆議院選挙では北朝鮮によるミサイル発射政局を活用した“北風”に力づけられ圧勝をおさめた。北朝鮮脅威論を最大限に活用してきた安倍政権は、朝米首脳会談で朝鮮半島平和ムードが進展することを牽制したがる。

 安倍首相は朝米首脳会談が成功する場合には、朝日首脳会談に乗り出すとみられている。彼は28日、日本人拉致被害者家族と面談した席で「最終的な拉致問題解決のためには朝日首脳会談が必要だ」という趣旨で話したと産経新聞が参席者の話を引用して報道した。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/846724.html韓国語原文入力:2018-05-29 14:15
訳J.S

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