朝米首脳会談を控え、北朝鮮と中国の高官級人物が中国遼寧省大連を訪問した説が流れ、注目が集まっている。
ハンギョレの取材を総合すると、大連の航空業界の関係者らは7日、航空管制の可能性があるとして、前日から大物が大連空港を利用したものと予想したという。彼らが前日、オンライン上でやり取りしたメッセージによると、「習と金が明日(7日)くる」という内容がある。「習」は中国の習近平国家主席を、「金」は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を意味するものとみられる。実際、習主席と金委員長が大連を訪問したかどうかは、確認されていない。
ある消息筋は7日午後1時30分から2時の間に大連周水子空港で、北朝鮮国籍の航空機が離陸するのを見たという目撃談もあったと話した。中国のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では、金正恩委員長の専用機の「オオタカ1号」の写真が、「朝鮮(北朝鮮)の旅客機1台が大連に着陸した」という説明と共にシェアされている。この写真の背景は青空だけで、撮影時期や地域は確認できない。
大連市内では6日には白雲トンネルと棒錘島一帯の道路が、7日には空港近くの道路がそれぞれ統制されたと、ある消息筋は伝えた。市内を貫通する白雲トンネルや、休養地で国賓館が位置した棒錘島、空港近くの道路は、貴賓訪問の際には必ず通るような地域だ。習主席一人が訪問した可能性もあるが、他の客がいた可能性も排除できない。もし北朝鮮の貴賓がいたとすれば、両方の高官が6日または7日到着し、会談した直後、北朝鮮側の貴賓が帰国したものと推定できる。習主席が大連に来たとすれば、中国が独自の技術で製作し、昨年4月に進水した航空母艦001Aが先月から初の試験航海を行っている状況と関連したものである可能性もある。
棒錘島は金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記が生前に訪問した場所でもある。金日成主席は1958年、ここで長期滞在していたことが知られており、1983年には胡耀邦総書記とも会談した。金正日総書記も2010年、ここに泊まりながら、港と産業施設を視察した。このため、今年3月に金正恩委員長が北京を訪問してから、帰国する前に中国国内の他の地域に立ち寄る可能性が取り上げられた際、候補地と推定されたところでもある。
金正恩委員長は3月25~28日に極秘に北京を訪問し、習主席と首脳会談をした。もし大連を訪問したのが北朝鮮の人物なら、習主席の答礼訪問が行われていないだけに、金委員長より金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長など他の人物である可能性もあると見られている。