北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がロシアから訪問の招請を受けたことを、ダン・コーツ米国家情報長官(DNI)が明らかにしたと、「イタル・タス通信」が報道した。中国政府の外交・国防部長が同時にロシアを訪問し、北朝鮮外務相が中国とロシアを相次いで訪問するなど、朝鮮半島情勢の主軸である朝中ロの協力が緊密になっている。
コーツ長官は4日、ワシントンで記者団に「我々は彼(金委員長が)習近平国家主席との会談に向けて中国に行ってきたことを知っている。また、彼が会談のためロシアを訪問してほしいという招待を受けたことも知っている」と述べたと、同通信が報じた。
中国の習近平国家主席の特使としてロシアを訪問した中国の王毅外交部長は5日、ロシアのプーチン大統領とセルゲイ・ラブロフ外相とそれぞれ会談し、プーチン大統領の中国訪問と朝鮮半島情勢について話し合ったと、同通信が報道した。プーチン大統領は今年6月、中国の青島で開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議に出席するために訪中し、習主席と会談するものと予想される。
ロシアを訪問した中国の魏鳳和国防部長は3日、セルゲイ・ショイグ国防長官と面会したのに続き、4日にはモスクワ安保会議に出席した。魏部長は3日、就任後初の海外訪問先としてロシアを選んだ背景について、「米国人たちに中国軍とロシア軍の緊密な関係を示すため」と述べた。
中ロは北朝鮮とも接点を広げている。ロシア外務省は4日、北朝鮮のリ・ヨンホ外相が9~11日にロシアを訪問し、外相会談などを行う予定だと発表した。金正恩委員長は今月末、南北首脳会談と来月の朝米首脳会談に先立ち、先月中国を先に訪問し、習主席と首脳会談を行った。