カン・ギョンファ外交部長官が「北朝鮮の完全な非核化は国際社会の共同目標」だとし、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が言及した「段階的・同時的」非核化については「北朝鮮との対話を通じて」その意味を把握できるだろうと述べた。
カン長官は4日午前、世宗路(セジョンノ)の政府ソウル庁舎で開かれた内外信記者会見で「北朝鮮の非核化の意志が果たして何を意味するのかについては、実際に北朝鮮との対話を通じて、準備過程でさらに把握できるだろう」と述べた。彼女はまた、「北朝鮮の非核化が南北首脳会談、朝米首脳会談はもとより、重要な議題になるよう準備している」と付け加えた。
南北首脳会談準備委員会委員でもあるカン長官は、会談の議題と関連し、「今回、この歴史的な首脳会談では両首脳が心を開いて包括的な対話ができるよう、議題も少し柔軟に決める方向で意見が一致している」とし、先月29日の南北高官級会談でもこのような方針が話し合われたと明らかにした。カン長官は「大きくは非核化や南北関係、平和定着というテーマがあるが、細部の議題としていかなるものを盛り込むかについては、より議題にとらわれない、心を開いた対話が行われるよう準備することで意見がまとまっており、そのように準備している」と説明した。これに先立ち、チョ・ミョンギュン統一部長官は先月29日の南北高官級会談を終えた後、記者団に「首脳会談の議題について十分に意見交換が行われた」とし、「北側の考えも韓国とあまり変わらなかった」とだけ述べた。
来週に行われるものと予想される日本の河野太郎外相の訪韓と関連し、カン長官は「細部日程を調整中」だとし、「近日中に発表できることを期待している」と述べた。まもなく行なわれる韓日外相会談の議題については、「慰安婦」被害者問題をはじめとする歴史問題と共に、北朝鮮の核問題や経済協力など「ツートラック」で諸議題が取り挙げられるだろうという見通しを示した。カン長官は「慰安婦」被害者問題関連の2015年韓日政府間合意の破棄や再交渉は要求しないという政府の立場を再確認しながらも、日本側の自発的かつ真摯な措置があれば歓迎すると言及した。カン長官は「(和解・癒やし)財団のゆくえ、また(12・28の合意で日本政府が拠出した)10億円を充当する問題についても、引き続き緊密に調整している」とし、「被害者・団体の意見を集約し、今後進むべき方向を模索している」と明らかにした。
北朝鮮メディアが「北朝鮮の人権問題を取り上げれば南と対話しない」と明らかにしたことに対する政府の立場を問う質問には、「北朝鮮の人権問題については、韓国政府の確固とした基本的な立場がある。劣悪な北朝鮮の人権状況については、国際社会と協力して改善を図るという立場」だと述べた。ただし、カン長官は「南北対話にあたっては、いかなる対話にも相手がいる状況」だとし、「対話の増進を図るためには、互いに合意した議題に沿って対話をしていく必要があり、この問題を今南北対話で取り上げるという問題に関してはもう少し政府レベルでの準備を要するものと思われる」と述べた。
先月ハワイのホノルルで開始された第10次韓米防衛費分担交渉で、米国側の無理な防衛費分担金の引き上げ要求に対する懸念については、「私たちは防衛費分担の面で米国の同盟国の中では非常に模範的な同盟国」だとしたうえで、「国民と国会が納得できる合理的な水準の結果が導き出されるよう、また前回の交渉から教訓を得て、国民に対する透明性を強調する韓国政府の基調に基づき、このような交渉の透明性を向上する方向で引き続き交渉に臨む」と述べた。
カン長官はまた、先月26日、ガーナ海域で拉致された韓国人3人に対して「所在を把握し、安全な帰還を確保するための外交的努力を展開している」とし、「無事帰還に向けてこれからも全力を傾けていく」と述べた。