ドナルド・トランプ米行政府が2日(現地時間)に発表した「核態勢検討報告書」で、非核攻撃に対しても核報復できるよう、核兵器使用のハードルを下げたという批判の声が上がっている。
米国防部が8年ぶりに出した報告書と、米国マスコミの報道を総合すれば、トランプ行政府は「重大な非核戦略的攻撃」を含む「極端状況でのみ」米国と同盟国の保護のために核兵器の使用を検討すると明らかにした。「重大な」とか「極端」という但し書きを付けてはいるものの、核兵器で攻撃されなくても核兵器を使うことができるという意味だと、米国マスコミは解説した。
同報告書は「重大な非核戦略的攻撃」には「米国および同盟国や友好国の市民および社会間接資本施設に対する攻撃を含む」と明らかにした。また「極端状況」と関連して、ジョン・ルード国防次官は、仮想的事例として敵対国の「サイバー攻撃や生物兵器の使用」を挙げた。
同報告書は、ロシアの核脅威に対する強硬な対処を表明し、ロシアが新しい魚雷を開発しているという事実を初めて公開発表した。「ステータス-6」と知らされたこの兵器は、水中から発射できるドローン形態の装置で、数千マイル移動して米国の海岸の目標物も打撃できると米当局者は説明した。同報告書は、ロシアのこのような兵器開発に対応し、低い爆発力を持つ「低威力核弾頭」を開発する予定だと明らかにした。
トーマス・カントリーマン元国務次官補はウォールストリート・ジャーナルに「最も憂慮の恐れがある部分は、核兵器の役割の拡大に関するもの」として「圧倒的な在来式軍事力やサイバー力量にもかかわらず、なぜそのような脅威にまともに対応できないかを説明していない」と批判した。
今回の報告書では、本文、目次、副題などをあわせて「北朝鮮」という単語が計51回登場し、ロシア、中国、イランと共に北朝鮮を別途の項目で扱うなど、多くの比重を割いた。
報告書は「我々の対北朝鮮抑止戦略は、米国および同盟に対する北朝鮮の核攻撃を容認できず、政権の終末に帰結されるだろうという点を明確にすること」とし「金正恩(キム・ジョンウン)政権が核兵器を使っても生存できるシナリオはない」と警告した。また「北朝鮮が米本土を打撃する力量を備えるのに数カ月程度しか残っていない」として「北朝鮮の核兵器保有は(外部に販売・流出できる)水平的拡散の脅威を提起する」と懸念を示した。