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キッシンジャー元長官「北朝鮮核問題の解決は6カ国協議の復活で…失敗時は米中合意」

登録:2018-01-27 06:44 修正:2018-01-27 08:23
トランプ政権の「圧迫攻勢」では突破口開けない 
アジア支持なしの米国の一方戦争になる恐れも 
北朝鮮の核とトランプ…終末に最も近づいた時計
ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が今月25日、上院軍事委員会聴聞会で発言している。後ろはジョージ・シュルツ元国務長官=ワシントン/AP聯合ニュース

 米国外交界の元老、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官は25日(現地時間)、「朝鮮半島の非核化を進める最善の経路は既存の6カ国フォーラム(協議)の復活を通じた合意」だとしたうえで、「それが失敗した場合は、米国と中国による合意が行われるべき」だと述べた。

 キッシンジャー元長官は同日、ジョージ・シュルツ元国務長官やリチャード・アーミテージ元国務副長官と共に上院軍事委員会が「米国の国家安保戦略」をテーマに開いた聴聞会に出席し、このように明らかにした。

 キッシンジャー元長官は「(ドナルド・トランプ政権の)北朝鮮に対する昨年の圧迫攻勢は成果をあげたように見える」としながらも、「問題の本質と関連しては、いかなる突破口も開けなかった」と批判した。彼はその理由として、「歴代の米国政府は、北朝鮮への(石油)供給の遮断を通じて問題を解決するため、中国に訴えてきた。しかし、中国は北朝鮮の崩壊を引き起こしかねないそのような措置を取らなかった」とし、「中国役割論」の限界を指摘した。

 キッシンジャー元長官は6カ国協議の復活と「失敗時には米中合意」を朝鮮半島非核化のための手段として提示し、「完全な非核化に向けた中間段階が交渉の一部になりうる」と述べた。彼は「しかし、これは現存する北朝鮮の核兵器の解体という究極的目標を向けた段階でなければならない」と強調した。

 キッシンジャー元長官は、米国の先制攻撃の可能性と関連し、「先制攻撃で北朝鮮核問題を処理しようとする誘惑が強いかもしれないが、どの米国主要官僚らも公開的に言及したことがない」と述べた。さらに、「世界の重要な地域、少なくともアジアの支持を得られいない中、中国とロシア国境で米国が一方的に戦争を進める事態になることを非常に懸念している」、「政治的な結果について熟慮せず、抽象的な軍事計画のみに依存すると、取り返しのつかない結果を生む恐れがある」と警告した。

 米統合参謀本部のケネス・マッケンジー中将は同日、国防総省で行われた記者会見で、韓米合同軍事演習と関連し、「演習を中止したわけではない。五輪期間と重ならないようにするだけだ。演習は五輪が終った直後、再び行われるだろう」とし、従来の立場を再確認した。

 一方、原子力科学者会(BAS)は同日、ワシントンで記者会見を開き、「『地球終末時計』の分針が夜11時58分に、午前零時(終末)2分前を指している」と明らかにした。これは昨年の夜11時57分30秒から30秒繰り上げられたもので、米国と旧ソ連の初の水爆実験があった1953年以降「終末」に最も近づいた。科学者らは、昨年の水爆実験など北朝鮮の核プログラムやトランプ大統領の強硬路線、気候変化などが人類の終末を早めていると懸念を示した。 終末時計は人類による地球の終末危機のレベルを示す象徴的表現で、毎年、世界の物理・環境分野の科学者とノーベル賞受賞者たちの意見を総合して発表される。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、チョン・ジョンユン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/829554.html韓国語原文入力:2018-01-26 20:22
訳H.J

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