米国、日本、中国の当局者と外信は、約2年ぶりに開かれた南北高官級会談にいっせいに神経を尖らせつつも、微妙な立場の違いを見せた。公式的には南北が朝鮮半島緊張緩和の突破口を用意することを期待しながらも、平昌(ピョンチャン)冬季五輪への参加を決めた北朝鮮の意図と和解ムードが持続できるかについては反応が分かれた。
米国のニューヨークタイムズは8日(現地時間)、今回の会談を「北朝鮮の急速な核兵器とミサイルプログラムの進展で、数カ月間緊張が高まった以後の象徴的な突破口」と評価した。これに先立ってマイク・ペンス米副大統領は、保守指向のラジオプログラム「デイナ・ショー」で「南北高官級会談はドナルド・トランプ大統領が対北朝鮮圧迫を結集してきた直接的な結果と考える」と話した。彼は会談を「単にオリンピックに関するもの」とし「拡大解釈」を警戒した。
米国マスコミの間では、五輪を軸に急進展された和解ムードが、北朝鮮核と関連した根本的な緊張緩和につながるかについては半信半疑の慎重論が優勢だ。CNN放送は「チョン・ヘソン統一部次官が『その(非核化)イシューに対して、北朝鮮の特別な言及や反応はなかった』と話し、『北朝鮮はただ聞いているように見えた』と話した」と伝えた。保守指向のフォックスニュースは「平壌(ピョンヤン)は平和な五輪を保障する見返りに制裁の緩和や石油あるいは食糧の支援を要求するだろう」という展望を出し「平壌には明確な心づもりがあり、唯一の疑問はそれが何かということ」と述べた。
日本は韓米日による対北朝鮮圧迫共助が緩むのではないかと憂慮する態度を見せた。菅義偉官房長官は「(五輪参加は)北朝鮮の態度変化として歓迎したい」としながらも「北朝鮮の核とミサイル開発は、日本を含むこの地域の平和と安保に対する重大な脅威だ。日本、米国、韓国が北朝鮮の政策変化を圧迫するために協力することには変わりがない」と明らかにした。日本経済新聞も「平昌五輪参加で韓国が北朝鮮との対話に傾いており、韓米日による対北朝鮮圧迫強化という枠組みが揺れている」と憂慮した。
中国政府は会談を積極的に歓迎した。中国外交部の陸慷報道官は定例ブリーフィングで「会談が開催できるようになったことを喜ばしく考え、中国は朝韓(南北)両側の関係緩和と肯定的措置を歓迎し支持する」として「両側が関係改善と和解協力を推進し、半島の緊張した情勢を緩和するにあたって今回の会談が良い始まりになることを願う」と述べた。
官営中央テレビ(CCTV)と鳳凰テレビなどのメディアも、リアルタイムで会談のニュースを扱い、高い関心を示した。2002年釜山アジア競技大会など、韓国で開かれた体育行事に北朝鮮が選手団と応援団を送った場面を放映し、今回も大規模応援団参加の可能性が関心事案だとも伝えた。中国国際問題研究院の楊希雨研究員は、官営ラジオ局とのインタビューで「両側の真の内心は五輪ではなく関係の緩和にある」と指摘した。環球時報は、板門店「平和の家」で開かれた今回の会談が「平和の花」を咲かせるかが注目されるとし期待を見せた。