25カ月ぶりに再開された南北高官級会談の初の可視的成果は、南北連絡チャンネルの復元である。会談の実現に先立ち、3日午後、板門店(パンムンジョム)南北連絡チャンネルが復元されたのに続き、会談当日の9日には西海(黄海)地区軍通信線の復元の事実も確認された。これらの通信線はいずれも2016年2月、開城(ケソン)工団の全面的稼動中止直後から1年11カ月間途絶えたままだった。
統一部当局者は「北側が午前会談の中に西海軍通信線を復元したと説明した。私たちが西海地区軍通信線路を確認した結果、午後2時に通信が繋がったことを確認した」と伝えた。この当局者は「現在、南北軍事当局間の西海地区軍通信線を通じた連絡が可能な状況」だと説明し、「10日午前8時から軍通信関連有線通信を(南北間で)正常稼動することにした」と付け加えた。しかし、北側は「3日に(すでに)軍通信線を開通した」とし、南側が開通時点を9日と発表したことに不満を示したという。
南北は2002年9月、軍状況室間の通信線を設置することに合意した後、同月24日には西海地区に、翌年12月5日には東海(日本名・日本海)地区に軍の通信線を構築した。金剛山(クムガンサン)観光の中止(2008年7月)以降も維持されていた東海地区の通信線は2011年5月、北朝鮮による金剛山地区の通信連絡所の閉鎖と共に遮断されたのに続き、2013年には東海岸地域の山火事で通信線が途切れており、復元のためには新たな設置工事が必要である。
西海地区通信線は、開城工団への入出境など、南北の関係者陸路で行き来する際に、人的事項の確認と身分保障措置などを通知する窓口として主に利用された。北側が会談に先立って西海地区軍通信線を復旧させたのは、平昌(ピョンチャン)五輪に参加する北朝鮮代表団が陸路で韓国入りするためと見られているのも、そのためだ。
国防部は昨年7月の北側に軍事境界線上敵対行為の中止に向けた南北軍事当局会談を正式に提案し、西海地区軍通信線を復元して回答してほしいと明らかにしたが、北はそれに応えなかった。同日、軍通信線が復元したことで、南北は偶発的軍事衝突を防止するホットラインを確保したのはもちろん、高官級会談の後続で軍事当局会談を推進できる手段を確保したと言える。