ドナルド・トランプ米大統領のアジア歴訪を翌日に控え、米政府が4カ月前に予告したように、中国丹東銀行を米金融システムから完全に締め出した。
米財務省金融犯罪取締チームは2日(現地時間)、北朝鮮の資金洗浄に利用されたとの理由で、丹東銀行が米国の金融システムにアクセスするのを遮断する最終決定を下した。財務省は同日、北朝鮮が丹東銀行を通じた資金洗浄で、国連安全保障理事会の制裁や米国の独自制裁処置を迂回しており、数百万ドル規模にのぼる北朝鮮の武器取引が同行を通じて行われたという事実を突き止めたと主張した。財務省が明らかにした発見時点は今年6月で、当時、財務省は遮断措置を予告した。
米国は自国の全ての金融機関が丹東銀行と取引したり、丹東銀行を代理して口座を開設することも禁止すると発表した。2005年のマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)に対する制裁と似たような措置だ。
米財務省は国際取引を行う銀行の危機管理担当者に対し、北朝鮮による世界金融への「浸透」の試みを摘発できるよう、協力を求める指導文を送った。スティーブン・ ムニューチン財務長官は「世界の金融界や企業は、北朝鮮による違法な金融や貿易を防ぐため、緊張しなければならない」と警告した。
米国政府の措置は、トランプ大統領のアジア歴訪、特に中国訪問(8~10日)直前に行われたものなので、中国をさらに圧迫する意図によるものなのかに注目が集まっている。米国の金融システムから排除されることは、米ドルの取引を処理できなくなるという意味で、国際取引に直接的な打撃を与えることができる。ただし、丹東銀行は中国でも小規模地域銀行であるため、実質的制裁の効果は微々たるものだろうという見通しも示されている。