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若者をむしばむ「燃え尽き症候群」【コラム】=韓国

登録:2025-12-22 22:56 修正:2025-12-23 10:43
キム・ジェウク画伯//ハンギョレ新聞社

 「燃え尽き症候群(burnout)」は、1974年に米国の臨床心理学者ハーバート・フロイデンバーガーが学術誌に発表した論文で概念化された用語だ。彼はニューヨークの無料診療所で働きながら、自身をはじめとするボランティアたちが情緒的な枯渇状態に至る過程を観察した。麻薬中毒者の血管を描写する際に用いられていた俗語を借用して「職員(staff)バーンアウト」について記述した。この用語は、献身的で責任感の強い人々が最低限の報償のみで長時間働いているうちに発生した極度の疲労感と無気力を意味した。1980年代に入ってからは、米国の新自由主義政策基調のもとで挫折した労働者の状態を示す最も重要な用語として使われた。

 正式には、燃え尽き症候群は病気ではなく症候群に分類される。世界保健機関(WHO)は2019年の国際疾病分類の第11回改訂案で、燃え尽き症候群を、健康状態に影響を与える「職業に関連する現象(Occupational Phenomenon)」と規定した。その概念は、職場内で適切に管理されていない慢性的ストレスと定義された。身体的、精神的に疲労を感じて意欲が失われ、仕事に対して冷笑的な態度を取るようになり、結果的に業務効率の低下につながる様相を呈するというものだ。

 燃え尽き症候群の原因は複合的だ。過重な仕事量、上司や同僚との確執はもちろん、職務満足度の低さや不公正な処遇などが、それを加速させる要因とされる。2022年にWHOが職場内のメンタルヘルスのガイドラインを発表したのは、燃え尽き症候群を個人の問題にしてはならないということを含意している。

 今月16日に国家データ処が発行した「青年の生活の質2025報告書」によると、昨年は19~34歳の青年層の32.2%が燃え尽き症候群を経験している。直近1年間に業務、学業、就職準備などで自分は燃え尽きたと感じたことがあると答えた人の割合だ。会社員を中心に見られていた燃え尽き症候群は、大学生と就職準備生の集団でも頻繁に見られる。実際に25~29歳の燃え尽き症候群経験率(34.8%)は、30代初めの青年より高くなっている。燃え尽き症候群を経験した理由として「業務過重、業務に対する懐疑」(34%)より「進路に対する不安」(39.1%)の方が割合が高かったことも、これと無関係ではない。良質の雇用の不足から生じている問題なのだ。

 燃え尽き症候群の深刻さを考えれば精神疾患と診断すべきだ、とも主張されている。少なくない人口が経験しており、それによる社会的、経済的コストも大きいうえ、うつ病や不安障害などへとつながりうるからだ。スウェーデンをはじめとする一部の欧州諸国は、燃え尽き症候群を「燃え尽き障害」と診断する。燃え尽き症候群が職業病と認められれば、それによる有給休暇や手当てが受け取れたりもする。国家データ処の報告書も、燃え尽き症候群経験率と若者の自殺率を並べて記述している。青年層において過去10年間(2015~2024)の自殺率の上昇幅が最も大きい年齢層も、25~29歳だ。

ファンボ・ヨン論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1235956.html韓国語原文入力:2025-12-22 16:50
訳D.K

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