米上院が18日(現地時間)、アジア太平洋地域で米国の拡張抑止および保障能力を高めることを行政府に要求する内容の「2018会計年度」国防授権法案を89対8で採択した。
上院を通過した国防授権法案は、「法制定後30日以内に国防長官がアジア太平洋地域内の米国の拡張抑止および保障能力向上のための計画を提出すること」を明示した。法案は計画書に、アジア太平洋地域の同盟国に対する武器販売増大▽同盟国との軍事協力および訓練、統合防御拡大方案などを含めるよう規定した。
また、在来式および核兵器を共に装着できる二重能力戦略機などの戦略兵器配備案および訓練計画▽アジア太平洋地域のミサイル防御能力、中長距離打撃資産を含む米国の主要な軍事資産の展開増加を要請した。
朝鮮半島の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をはじめとして、領域内の同盟国の防衛に対する米国の公約を再確認し、“核の傘”を含む米国のすべての防御能力を通じて保障する既存の拡張抑止提供を再確認する内容もある。
今回の法案には、一時議論された潜水艦発射クルーズ核ミサイルのアジア太平洋地域再配備案は除かれた。また、対北朝鮮制裁と関連した具体的要求事項も除外された。これは下院とは異なり、現在の対北朝鮮制裁法だけで充分だという上院側の雰囲気を反映したものと分析される。
下院ではすでに7月に国防授権法案が通過し、上院と下院の調整過程を経る。ただし上下院のアジア太平洋地域関連法案の内容はほとんど同じで、北朝鮮のみならず中国に対する軍事的圧迫を強化する内容が多いため、領域内の緊張が高まる可能性がある。