ドナルド・トランプ米大統領とレックス・ティラーソン国務長官が22日(現地時間)、北朝鮮が最近緊張造成行動をしていない点を高く評価し、積極的に融和的信号を送った。朝鮮半島情勢の緊張が高まることが常だった乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン韓米連合演習が進行中である点を考慮すれば、極めて異例のことと言える。
また、米財務部はこの日、中国、ロシアなどの機関10カ所、中国、ロシア、北朝鮮の個人6人に対する制裁案を同時に発表した。対話の門は開けておくものの、武器として使われうる戦略物資や資金の対北朝鮮流入については遮断を継続するという信号と見られる。
トランプ大統領はこの日、アリゾナ州のフェニックスで開かれた支持者集会で「彼(金正恩労働党中央委員長)がアメリカを尊重し始めたという事実を、私は尊重する」として「おそらく、間違いかも知れないが、何か肯定的なことが起きる可能性がある」という希望を明らかにした。トランプ大統領のこの日の言及は、グアム包囲射撃威嚇以後に「見守る」として一歩後退した金委員長の発言と大陸間弾道ミサイル試験発射以後に北朝鮮による追加的な核および長距離ミサイル試験がなかった点を指したものと見られる。
ティラーソン国務長官もこの日、ワシントンの国務省庁舎でアフガニスタン新戦略発表と関連した後続ブリーフィングの途中で「質問に先立って、北朝鮮問題について一言言いたいことがある」として、準備した北朝鮮問題を取り上げた。ティラーソン長官は「北朝鮮が国連安全保障理事会(安保理)の対北朝鮮制裁決議の全員一致採択以後に、ミサイル発射や挑発行動がなかったという点は注目に値すると考える」として「その点に注目したい。その点を認めたい」と強調した。
彼は続けて「北朝鮮の政権が過去には見られなかった自制の水準を明確に見せていることは喜ばしい」として「これは私たちが望んだ信号の出発点なので、近い将来、いつか対話の道を見られることを希望する」と述べた。
ティラーソン長官は米国が求めている信号と関連して「北朝鮮は緊張の強度と挑発的行動を自制する準備ができているようだ」と明らかにした。彼は「私たちは北朝鮮をもう少し見守る必要があるが、今まで北朝鮮が取ってきた措置を認めたい」と再度強調した。
彼はさらに、「北朝鮮政権が過去には見られなかった自制の水準を確実に見せていることに対して嬉しく思う」とし、「これが私たちが望んだ信号の出発点であり、近い将来いつか対話の道を開くことができると希望する」と話した。
同長官は、米国が探している信号と関連して「北朝鮮が緊張の水位と挑発的な行動を自制する準備ができているもの」と明らかにした。彼は「私たちは北朝鮮をもう少し見守る必要があるが、これまで北朝鮮が取ってきた行動を認めたい」と改めて強調した。
ティラーソン長官の「腹を括った発言」は、トランプ大統領の発言趣旨とも一脈相通じる。前日訪韓した米軍首脳部も、北朝鮮の核・ミサイル解決法と関連して「外交的措置が優先されなければならない」と述べた。トランプ大統領を頂点として外交・国防の高位官僚らが類似した発言をしたということは、米国行政府の対北朝鮮政策気流が明確に変化していることを象徴的に見せる。
北朝鮮と米国が今月中旬に「グアム射撃一旦中止」と「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン一時縮小」をやりとりした情況がある中で、韓米連合訓練期間中に突発的に緊張が高まる事態さえ発生しなければ、来月からは交渉局面が本格化するという分析が支配的だ。この場合、北朝鮮に抑留中の米国人3人の釈放問題を契機に、公式・非公式に朝米が密度の高い協議を始めるものと予想される。
一方、この日の財務部の制裁発表に見るように、「最大の圧迫と関与」という対北朝鮮政策基調に立ってトランプ行政府は対北朝鮮制裁のひもも放さないものと見られる。