米国防部は韓国軍の対北朝鮮抑止や防御戦略レベルで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が提案した弾道ミサイルの弾頭重量の拡大案を積極的に考慮していると明らかにした。
米国防総省のジェフ・デービス報道官は7日(現地時間)、ワシントンの国防部庁舎で、弾頭重量の拡大と関連した記者団の質問に対し、「ここで(米国で)積極的に考慮している事案」だと答えた。デービス報道官は「現在韓国が保有できるミサイルや弾頭の大きさは限られている」としたうえで、「米国は韓国の防衛能力を拡大できるなら、どんなことにも友好的である意向がある」と述べた。また、「北朝鮮の脅威が増加して変化すれば、私たちもそれに適応しなければならない」と明らかにし、弾頭重量の拡大の必要性を認めていることを示唆した。
現行の韓米ミサイル指針は、射程距離800キロメートルのミサイルの場合、重量500キログラム未満の弾頭だけを開発・保有できるように規定している。文大統領は6月末、ワシントンで開かれたドナルド・トランプ大統領との首脳会談で、弾頭重量を増やすためのミサイル指針の改正問題を提起しており、北朝鮮が「火星14」型を試験発射した翌日である先月29日、改正問題を協議していることを電撃的に公開した。
デービス報道官は、改正交渉の日程については「日程表はまだ分からない」と述べた。しかし、今年10月にソウルで開かれる韓米年次安保協議会(SCM)での妥結を目標に、韓米当局が交渉を繰り広げるものと予想される。カン・ギョンファ外交部長官とレックス・ティラーソン米国務省長官も6日、フィリピンのマニラで会談を行い、ミサイル指針の改定に向けた交渉を早期に開始するために協力していくことにした。大統領府は射程800キロメートルのミサイルの弾頭重量を500キログラムから1トンに増やす案を検討しているという。
米国と交渉を通じて射程距離800キロメートルのミサイル弾頭の重量を1トンに増やせば、文在寅政権が北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するために提示した「韓国型3軸体系」のうち、北朝鮮指導部などを対象に直接報復を行う「大量反撃報復システム」(KMPR)作戦に動員されるものとみられる。