米ホワイトハウスと国務省が、韓国政府による17日の対北朝鮮軍事当局会談および秋夕(チュソク、旧暦の8月15日)の離散家族再会に向けた赤十字会談提案に微妙な温度差を見せた。
米国務省東アジア太平洋局のアダムス報道官は17日(現地時間)、韓国政府の提案に対する米国の立場を尋ねるハンギョレの質問に「韓国政府に訊いてほしい」と短く答えた。これと関連して、ワシントンの外交消息筋は、「中立的な表現」だと解釈した。積極的な支持も歓迎もなく、だからといって反対することもないという意味だ。
これに先立って文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ大統領は、先月30日に合意した韓米共同声明で「トランプ大統領は、人道主義的事案を含む問題に対する南北間の対話を再開しようとする文大統領の熱望を支持した」と明示した。また、共同声明は「トランプ大統領は、朝鮮半島の平和統一環境を造成するうえで、大韓民国の主導的役割を支持した」と明らかにしている。したがって、国務省は韓国政府の提案が大きな枠組みでこうした合意に外れないと判断したとみられる。
これに対してホワイトハウスは、国務省よりは不満混じりの論評を出した。ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は定例会見で、トランプ大統領の反応を問う記者たちの質問に「韓国政府から出た話であり、韓国に訊いてほしい」としたうえで、「…しかしトランプ大統領は(北朝鮮が対話に向けて)満たすべき条件が、今我々のいる位置とは遠く離れているとかつて明確に述べた」と話した。
ホワイトハウスのこうした反応は、赤十字会談より軍事当局会談に対する警戒心を示したものと見られる。トランプ行政府は、北朝鮮に対する武力示威などの軍事的圧迫も、北朝鮮に圧力を行使する重要な手段の一つと見なしているが、南北間の緊張緩和ムードで、ややもすればこうした手段の効用性が失われかねないと判断し得る。
一方、米ニューヨークを訪問中の日本の岸田文雄外相が、韓国政府の提案と関連して、この日記者たちに「今は圧力を加える時」と主張したと共同通信が報道した。