ムン・ジョンイン統一・外交・安保大統領特別補佐官(延世大学名誉特任教授)は16日、ワシントンで示した「北朝鮮が核を凍結した場合は、韓米合同演習を縮小」提案をめぐる議論と関連し、交渉とはやり取りすることであり、米国と協議しなければならない問題だと強調した。
ムン・ジョンイン特別補佐官は19日(現地時間)、米国・ニューヨークのマンハッタンのアジア・ソサエティで開かれた「朝鮮半島危機-韓米同盟の意味」セミナーで、「私が韓国メディアに話したのは、北朝鮮の核・ミサイル活動を即時中断させなければならない必要性があり、その見返りとして韓米合同演習の規模を縮小することができるということだった」と明らかにした。ムン特補は「当然、韓国の究極的目標は朝鮮半島の非核化であり、それに向けて核凍結から始めることができるということ」だと強調した。自分の提案が北朝鮮の核・ミサイルの廃棄よりも凍結に重きを置いたのではないかという批判に対し、反論したのだ。
彼は「一部の韓国人たちは韓米合同演習の縮小について、極度に敏感な反応を示しているが、交渉はほとんどやり取り(ギブアンドテーク)」だとし、「双方が交渉するというのは、そういうもの」だと強調した。また、「(合同演習の縮小は)米国と徹底的に協議しなければならない。韓国独自ではできないもの」だとし、「合同演習は韓米が共に行っているため」と説明した。自分の提案が韓米同盟に亀裂をもたらしかねないものとして解釈されることに対する反論といえる。
「外交的アプローチ」が互いの関心事に対する交換と妥協というのは“常識の領域”に属する。ウィリアム・ペリー元米国防長官(89)も13日、ワシントンのあるシンクタンク主催の講演で「外交的アプローチは聞いて、また聞くことだ。北朝鮮の優先的関心が何かをまず聞くこと」だと強調した。それをもとに、互いにアプローチしていかなければならないという意味だ。
ムン特補は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、朝鮮半島で緊張を緩和できる方法を求めている」とし、「文大統領は平和を望んでいるが、まず強調しているのは安保」だと紹介した。彼は「韓国は開城(ケソン)工業団地も閉鎖し、金剛山(クムガンサン)観光も中断した」とし、「韓国も北朝鮮に対する『最高の圧迫』政策に参加している」と説明した。
彼はドナルド・トランプ大統領に対する韓国の認識を問う質問に「トランプ大統領について初めは非常に懸念していた。しかし、中国の習近平主席や日本の安倍晋三首相と行った首脳会談を見て、トランプ大統領が非常に実用的な指導者だということが分かった」と紹介した。彼は「トランプ大統領も文大統領に対して好感が持てると思う」とし、「私たちは生産的な首脳会談になるだろうと期待している」と付け加えた。
ムン特補は、自分の発言が韓国政府の公式立場のように映ることを意識したかのように、「教授として個人の考えであるだけで、文在寅政権の考えではない」と強調しており、「特補」と呼んだ質問者には「特別補佐官ではなく、教授と呼んでほしい」と話した。