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トランプ政権、制裁強化しながらも対北朝鮮交渉に向け視野広げる

登録:2017-04-19 03:02 修正:2017-04-19 08:14
スーザン・ソーントン米国務次官補代行の電話会見 

「北朝鮮核プログラムの撤回のシグナルを探している」 
「まだいかなる具体的なシグナルも見つかっていない」 
「武力衝突や北朝鮮政権の交代を追求しないのは確か」 
専門家ら「トランプの対北朝鮮政策、より大きなハンマーとステーキ戦略」 
スーザン・ソーントン米国務省東アジア・太平洋担当次官補代行//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米政権の対北朝鮮政策の完成と米中首脳会談を機に、米国政府が対北朝鮮制裁強化局面の中でも「制裁を超えた交渉」に向けて視野を広げている。

 スーザン・ソーントン米国務省東アジア・太平洋担当次官補代行は17日(現地時間)、電話懇談会を通じて「(朝鮮半島の)緊張を緩和するため、米国が北朝鮮と、または多国間協議でできることは何か」という質問に「北朝鮮が現在の現状維持は続けられないという事実を自覚したことを示す一種のシグナルを探している」と明らかにした。彼女はまた、北朝鮮が送るべき「シグナル」は「違法なプログラムを除去するという根本的な決定を下し、国際社会とより正常に交流するということ」だと説明した。

 ソーントン次官補代行は「米国が北朝鮮と関与(対話)する前に(核)開発計画凍結のように北朝鮮が満たすべき前提条件があるか」との質問に対し、「具体的な前提条件は(まだ)ない」としながらも「北朝鮮が彼らのプログラムを撤回する可能性があることを示唆する可視的な兆候はまだ見つかっていない」と明らかにした。

 ソーントン次官補代行は、北朝鮮が6回目の核実験をする場合の米国の対応に関し、「そのような大きな挑発は、国際社会の非常に重大な対応を呼ぶだろう」とし、「トランプ大統領も暗示したように、それが何なのかについては言えない」と述べた。しかし、彼女は「米国は平和的方式の朝鮮半島非核化で問題を解決することを望んでいることを明確にしてきた」としたうえで、「必要なら、同盟と米国人を防御することになるだろうが、我々が(武力)衝突や(北朝鮮の)政権交代を追求しないことは明らかだ」と改めて強調した。

 このような基調は北朝鮮に対するトランプ大統領の“例外的に”慎重な反応にも現れている。トランプ大統領は同日、ホワイトハウスの復活祭行事の途中で行われた「フォックスニュース」とのインタビューで、対北朝鮮先制攻撃の可能性と関連し、「私がこれから何をするか、いかなる考えを持っているかについては、明らかにしたくない」として、答えを避けた。彼は昨年の選挙運動とは異なり、大統領就任以降は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長に対しても「狂っている」などの「レッドライン」(禁止線)を超える表現はまだ使っていない。

 もちろん、現在の緊張局面が解消され、交渉局面に移るまでこれからも当分の間、米朝間の緊張が続くものと予想される。「最大限の圧迫と関与」という対北朝鮮政策が示唆するように、トランプ政権は北朝鮮が非核化交渉のテーブルに戻るまで、オバマ政権とは比較にならないほど強力な圧迫を加えると公言しているからだ。北朝鮮も依然として米国の軍事攻撃や先制攻撃の可能性に対する警戒を緩めていない。このような過程で緊張がさらに高まる可能性も排除できない。

 しかし、トランプ政権の取引方法からして、一旦交渉が始まると、北朝鮮に提供する見返りもより大きなものになる可能性がある。専門家らは「さらに大きなアメとさらに大きなムチ」(コリア研究院のキム・チャンス院長)または「ハンマーとステーキ」(国家安保戦略研究院のチョ・ソンリョル責任研究委員)になるだろうと予想している。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、チョン・インファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/791244.html 韓国語原文入力:2017-04-18 16:32
訳H.J(1684字)

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