日本の政府とマスコミが、米国の航空母艦カールビンソン号の接近を契機に、朝鮮半島危機論を煽り立て“安保商売”に積極的に取り組んでいる。
安倍晋三首相は12日、自民党の拉致問題対策本部を訪れ「さまざまな事態が起こった際には、拉致被害者の救出について米国の協力を要請している」と話した。朝鮮半島で軍事的衝突が起きれば、北朝鮮にいる日本人の救出に乗り出すという意味で、米軍が北朝鮮に投入される状況を念頭に置いた発言だ。
菅義偉官房長官はこの日「朝鮮半島で在留邦人の保護や退避が必要になった場合を想定し、常日頃から必要な準備、検討を行い、いかなる事態にも対応できるよう万全な態勢を取っている」と話した。前日、日本外務省はホームページに、韓国への滞在・渡航を予定している、またはすでに滞在中の日本人に対して「最新の情報に注意してください」との警告メッセージを上げた。外務省は「現在韓国については直ちに邦人の皆様の安全に影響がある状況ではなく,危険情報は出ておりません」としながらも「北朝鮮は核実験や弾道ミサイル発射を繰り返している」ことから韓国に滞在したり行く予定がある人は最新情報に注目してほしい」と注意喚起した。
日本政府は米国の強硬対応基調にも積極的に呼応している。菅官房長官は11日「米国が全ての選択肢はテーブルの上にある という米国の政策スタンスを評価している」と話した。彼は7日、米軍がシリア空軍基地をミサイルで攻撃した直後に「核兵器と化学兵器の拡散・使用の脅威は、シリアだけの問題ではない。同様の問題は北朝鮮など東アジアでも起こり得る」と話している。
日本マスコミの報道の方向性と態度も軌道を一にする。朝日新聞は12日、日本の防衛省が、カールビンソン号が朝鮮半島に接近すれば海上自衛隊と共同訓練をすることを要請したと匿名の政府関係者の話を引用して報道した。日本経済新聞も匿名の政府関係者の話を引用して、日本政府は米国が北朝鮮を攻撃する時、事前協議をすることを要請し、米国はこの提案を受諾したと報道した。これに対して菅官房長官は「(北朝鮮攻撃時、日本と事前協議をするという)報道のような事実はない。明快に否定しておく」と話した。
日本が朝鮮半島をめぐる危機感に積極的に便乗する措置と発言を続けているのは、まずは北朝鮮の威嚇に対する対応レベルと分析される。究極的にはこうした“機会”を利用して武装を強化しようとする下心もあると見られる。日本は自衛隊強化の根拠に北朝鮮脅威論と朝鮮半島危機説を挙げてきた。自民党は先月末、北朝鮮のミサイル基地攻撃を念頭に置いた敵基地攻撃能力の保有を至急検討しようと政府に提案した。自民党内に設置された「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」は、北朝鮮のミサイル発射が「新たな段階の脅威に突入した」として「巡航ミサイルを含む敵基地反撃能力を保有すべきで、直ちに検討を始めよう」と提案した。
日本政府は他国と弾薬などの軍需物品を支援したり共有する内容の相互軍需支援協定(ACSA)締結国家も増やす方針だ。朝日新聞は、日本政府が13日の参議院外交防衛委員会で米国、オーストラリアとの協定改定案および英国との協定承認案を可決する方針だと報道した。日本は韓国とこの協定を締結する案も検討している。