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米国務長官「我々の目標は北朝鮮の政権交代ではない」

登録:2017-04-10 22:10 修正:2017-04-11 06:15
「対北朝鮮先制攻撃論」「金正恩除去説」などと一線画し 
「非核化された朝鮮半島が目標」 
「北朝鮮が非核化措置した場合は対話も」 
レックス・ティラーソン米国務長官//ハンギョレ新聞社

 レックス・ティラーソン米国務長官が、対北朝鮮政策目標は朝鮮半島の非核化であり、北朝鮮政権交代ではないと明らかにした。「対北朝鮮先制攻撃論」や「金正恩除去説」などと一線を画し、現時点ではなくとも、今後の交渉に向けた機会の窓は開けておこうとするメッセージと見られる。

 ティラーソン国務長官は9日(現地時間)ABC放送「ディス・ウィーク」に出演し、「我々の目標は非核化された朝鮮半島という点を明確にしてきた。北朝鮮の政権を交代することが目標ではない」と述べた。彼は「米国のシリア攻撃と関連し、北朝鮮が受け止めるべきメッセージは何か」という質問に対し「いかなる国であれ、国際的規範や合意を違反したり、ほかの国に脅威になるなら、ある時点では対応に着手するということ」だと明らかにした後、北朝鮮についてはこのように説明した。

 また、・ティラーソン長官は、米国がシリアのバッシャール・アサド政権を除去する可能性についても、リビアの政権交代を例に挙げ、「リビアの混沌状況が続いている。米国が政権交代の道を選んだ際、リビア状況が悪化した過去の教訓から学ばなければならない」と強調した。北朝鮮に対してだけでなく、米国の対外政策の基本的な基調として、ほかの国の政権交代は進めないということだ。一般的に政権交代を進めないという宣言は相手を交渉相手として認めるという意味で受け止められている。

 しかし、前提条件なしで北朝鮮と交渉できるということではない。彼は同日、CBSの「フェイス・ザ・ネイション」に出演し、「習近平主席も(良くない)状況が続いており、したがって(北朝鮮の核開発が)措置を取らなければならない脅威のレベルに達したという点を明確に理解して、同意したと思う」と明らかにした。さらに、「中国も直ちに平壌(ピョンヤン)と交渉できるような状況ではないと思う」としたうえで、「中国と協力して、北朝鮮指導部の思考の中にある(計算)条件を変えられれば、その時点での交渉は有用だろう」と述べた。中国の対北朝鮮圧迫を通じて北朝鮮が先に非核化措置を取れば、対話に臨むという意味で、バラク・オバマ政府の「戦略的忍耐」に類似している。

 トランプ政権内部には、北朝鮮に向けた発言のレベルとアプローチにおいて温度差が感知される。ホワイトハウスのハーバート・マクマスター国家安保補佐官はフォックス・ニュースとのインタビューで「トランプ大統領は、米国と韓国の域内同盟に対する北朝鮮の核の脅威を取り除くため、全てのオプションを用意することを指示した」としたうえで、「北朝鮮は今や、核兵器を保有したならず者政権」と批判した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/790061.html 韓国語原文入力:2017-04-10 20:00
訳H.J(1341字)

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